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2011.05.29

 旅行記(台湾)

台湾茶の歴史を訪ねる旅(12) 特等茶の店

12. 特等茶の店
凍頂山からの帰りは、Uさんのバイクで楽々帰還。そのまま観光案内所に向かう。鹿谷での活動はあまりないので、次を考え始める。どこへ行くべきか、どうやって行くのか。観光案内所で時刻表付き地図を貰えば考えも涌くと思ったが、既に案内本はなくなっていた。


そこへ向こうからUさんに声が掛かる。茶を飲んで行けと言う。聞けば、観光関係の会社の人らしい。Uさんはどこにでも顔が効く。春茶はまだ出来ていないようで、冬茶が登場。最近の観光業は中国大陸頼み。ここ鹿谷にもやって来るが、金持ちのお茶好きが『来年の凍頂烏龍茶を全部予約する』といった話が横行し、大陸恐怖症になっている者もいると言う。札束で横っ面を張り倒すようなやり方は好まれるものではない。


午後は茶業文化館へ。ここには鹿谷のお茶の歴史などが展示されていて面白い。入るとまず目に飛び込むのが昨日お目に掛かった林光演さんの写真と説明書き。そうか、こんなに偉い人だったのかと再認識。


そして雨が降り、することもなく、Uさん行きつけの茶荘へ。玉春茶坊と言うそのお店、凍頂茶王と書かれた入り口には、特等賞の看板がずらりと並ぶ。品評会で高い評価を得ているようだ。中に入るとお茶の香りがぷーんとする。


林さん親子が経営している。息子は品評会用の茶作りの真っ最中。茶葉3gを正確に測り、浸す時間もきちんと計る。茶碗に入れて、レンゲですくって飲む。色、香り、味と試していく。とても忙しい時に来てしまったようだ。それでも一緒になって、品茶を行い、味を確かめたりした。それも真剣そのもの。商売上では品評会で評価が得られるかどうかが、鍵だと言う。顧客も入賞したお茶を求めるのだから、仕方がないのだろう。


お父さんは学校の先生もしていた人格者。息子が後を継ぐと言うので手伝っている。雨が止まない中、2時間もここでお茶を頂く。冬茶を濃く焙煎したお茶はなかなか美味しい。ここでは阿里山、杉林渓など、各地からお茶を集めて、加工する。店にいる間にも春茶の原料が運び込まれる。何だかお茶作りの関わっているようで、気分が出る。


そしてお母さんから夕食を食べていくように言われる。Uさんも家族の一員のように食べていく。非常に溶け込んだ様子が嬉しい。一番忙しい時でもこのようにして貰えるのは日頃の彼の成果であろう。