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2011.06.15

 旅行記(台湾)

台湾茶の歴史を訪ねる旅(21) 深坑へ行く

21. 深坑へ行く
黄さんには大変お世話になった。名残惜しいがお別れする。最後に黄さんから「必ず徐先生に電話を入れろ」と念を押される。しかし私は明日帰国する。徐先生の家は少し遠いらしい。どうしたものだろうか。取り敢えず電話してみたが、お留守のようであった。また次回台湾に来た時に連絡しようと考えていた。


今回の宿泊先Ez StayのオーナーHさんと食事をする時間がなかった。台北最後の夜にようやく時間が出来たので声を掛けると「深坑で豆腐でも食いましょう」と誘われる。深坑、恥ずかしながら実はどんなことろかピンと来なかった。台湾茶の歴史を訪ねる人間としては失格であろう。


Hさんのバイクに跨り、先ずは木柵のHさんの家へ。台北市内でバイクに跨ると鹿谷などとは全く異なるスリルが味わえる。怖くないのだろうか、と思うような恐ろしい台数が脇を通過していく。いきなり左折する。Hさん曰く「もう20年も台北で乗っているんですよ」そうか、それは安心。


H宅でバイクから自家用車に乗り換えようとしたところ、携帯が鳴る。流暢な日本語が聞こえてきた。何と徐先生がコールバックしてくれたのだ。これにはビックリ、恐縮してしまう。徐先生は「資料を準備してお待ちしています。いつ来ますか?」と聞く。実は明日帰国することを話し、次回の再訪を約束する。しかし先生から「それで次回はいつ?」との問いに思わず気の弱い私は「5月下旬には」と答えてしまう。5月下旬は香港へ行くはずなのだが。何と来月の再訪が決定する。


深坑に到着。ご飯を食べるかと思えば、お茶屋さんに行くと言う。儒昌茶荘(http://www.zuchangtea.com.tw/)と言う名前のそのお茶屋さんの祖先は1845年に福建省安渓から移民し、茶園を続けている。この付近は台湾茶の発祥の地の一つに数えてもよいかもしれない。淡水河の上流、そこに福建から持ち込まれた茶樹が植えられていたのである。


我々が訪ねた王さんは3代目、静岡の茶葉試験場での研修経験もあり、若いのに日本語は堪能。ちょうど摘んだ茶葉が上がっていたようで、話しながらも忙しなく仕事をしている。包種茶の茶葉を茶碗に入れ、スプーンですくって飲んでいる。今年は冬が寒く、お茶の生育が遅れたと言いながら、音を立ててすする。


このお店、店頭から茶缶が並び、昔の茶商の雰囲気を残している。深坑の茶の歴史にも興味があったが、資料はあまりないとのことであった。ついでに日本時代の日本人に関する資料について尋ねると「確か研修中に金谷(静岡)の茶葉試験場にあったような気がする」との答え。そうか、台湾に残っていなくても、日本に持ち帰られた資料があるかもしれない。これは収穫であった。


そして豆腐レストランへ。人気店らしくかなり混んでいる。台湾ではこれまで豆腐料理がメインのレストランでは食べたことがない。台湾でも今や健康志向なのだろうか。揚げ豆腐、臭豆腐、どろっとした豆腐スープ。数々の豆腐料理がテーブルを埋める。こりゃ、なかなか旨い。どんどん箸が進む。台湾料理はまだまだ奥が深い。