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2011.07.20

 旅行記(台湾)

台湾茶の歴史を訪ねる旅2(12)   再び和果森林へ

12. 再び和果森林へ
製茶課長と別れて、昼食へ。今回はフライドチキン丼?とも言うべき鳥腿肉飯を食べる。これは鶏肉好きの私にとっては美味しい食べ物。しかもスープも鳥スープと言うことで何となくハッピーになる。




そして午後前回訪問した紅茶の店、和果森林を再訪した。理由は前回後、実は100年前の日本の紅茶樹が切られてしまったとのニュースを聞いたから。そんな馬鹿な、と思ったが、新聞記事には私がインタビューした石さんが昏倒している写真まで掲載されており、これは他人ごとではないと出掛けた訳である。


お父さんもこことは懇意。もとはと言えば石さんがお父さんの民宿を推薦したのが付き合いの始まりである。ただこの事件は地元では有名であるが、あまり触れたくない話題でもあるようだ。元々日本時代の農地は全て台湾農林が接収しているから、石さん達の紅茶樹も台湾農林の土地にある。借地である。最近の台湾農林は完全な不動産開発会社と化し、儲かる土地は開発してきた。この付近の土地も一部は開発対象になり、茶樹を守りたい場合は台湾農林から土地を購入する必要があった。ところが元々農林のやり方に反意を唱えていた石さんには元から土地を売る気はなく、開発対象にしてしまい、仕方なく石さんは裁判に訴えたが敗訴が確定し、速やかに農林は茶樹を切り倒したと言うことらしい。

法的には誰のものかははっきりしているが、日本人としては日本時代の歴史的な木がいとも簡単に切り倒されたと聞けば、何となく複雑な気持ちになる。台湾にももう少し歴史的意義を大切にしてもらいたい所である。

ところで何の予約もなく訪問したが、石さんと娘さん夫妻はお店に居た。前回は週末、お客さんでごった返していたが、今日は実に静か。やはり裁判のことが響いているのか。中に入ると石さんと娘さんが真剣に茶のチェックをしていた。




聞けば石さんは昨晩中国貴州省より帰国したばかり。チェックしている茶葉は石さんが貴州で指導して作らせたお茶だそうだ。既に83歳でこれだけ元気だとは。ましてやあんなショッキングな出来事があったのに、これだけ前向きな人を最近見たことがない。




紅茶の生産は、周辺から茶葉を集めて続けるとのことで、3人共に特に悲壮感はない。娘さんより、「今晩日本人の家に遊びに行くけど、一緒に行かない」という意外な誘いを受けた。当地でロングスティしているとのことで、興味があり同行することにした。