みんなで作ろう!「ベトナム旅行便利帳」

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 【[ベトナム街角笑ケース]

第7話:暑いときは木陰が停止線
2009.04.20
 

 おっとっと。もう少しで交差点で停止中のバイクにぶつかるところだった。でも、どうして、停止線まで3メートルもある、こんなところに止まっているんだ?

 ホーチミン市は、5月から10月の雨季と11月から4月までの乾季に大別され、乾季の終わりの今頃は一年でいちばん暑い。この時期になると、強烈な日差しを避けるため、バイクに乗っている人たちは、停止線ではなく、木陰で止まろうとする。だから交差点では注意が必要なのである。

 写真を見て欲しい。手前に白く見えているのが本来の停止線。しかし、信号待ちをするバイクたちは、きれいに木陰の線に従って止まっているのがご覧頂けるだろう。酷暑の季節には、このように木陰が停止線になるのだ。

 こちらに来たばかりの頃は、そんなことは知らないものだから、小生、何度か追突しそうになって、「どうして、こんなところで」と毒づいたものだ。今ではすっかり慣れてしまい、小生自身も、信号が赤だと、その手前の木陰でバイクを停めるようになった。

 ホーチミン市は一年中夏で、地元の人は暑さには強い。逆に寒さにはからっきし弱く、気温が20度を下回ると、ダウンジャケットを羽織っていたりして、笑わせてくれる。そんなホーチミンっ子でも、それでも、この乾季の終わりには夏バテする。日本人である小生などは、ここに長年住んでいるにも関わらず、ちょっと油断すると熱射病になってしまうほどだ。

 停止線でなく、木陰で信号待ちをするのは、ズボラというより、暑さに負けないために必要な生活の知恵、なのかもしれない。

 ニュースでは、南部一帯が猛暑になっていると伝えており、4月19日の最高気温は40度まで上がったそうだ。しかし25日頃から順次、雨季入りするとのこと。そうすると、気温も下がり少しは過ごしやすくなる。もっとも、雨季になると、それはそれで、いろいろ大変なのだが。

 そういうわけで、今週の「街角笑ケース」殿堂入りは「暑いときは木陰が停止線」。お後がよろしいようで…。