まずは写真をご覧頂きたい。
ちょっと分かりにくいかもしれないが、信号機と停止線が同じ位置にあるのが、お分かり頂けるだろうか。これなどはマシなほうで、時には、停止線より手前に信号機がある場合もある。当然のことながら、停止線で停まっている運転手には、信号が青になったのが見えない。
どうなるかというと、信号が青に変わると、後続車両がクラクションを鳴らし、それでようやく先頭車両は「ああ、信号が青になったのだな」と気がつき、やおら車を発進させるのである。
先日、日本からやって来た客人が、これを見て、
「そもそも、どうして信号機が、道路の向こう側にないのかね?」
と質問してきて、小生も答に詰まってしまった。どうしてだろう? 確かに、日本のように、対面に信号を設置すれば、こういうことは起こらないのに...。
数年前だったか、国外から多額の資金援助を得て、信号機の整備が行われた。その時に、信号機の位置も変わるのかと思ったら、位置はそのまま。それどころか、現在、使われている信号機の横に、もう一つ新しい信号機が設置されるというケースもあった。信号のない交差点は、まだまだたくさんあるのだから、そこにつければいいのに...。
これに関しては、ホーチミン市民からも「これではお金の無駄遣いではないか」と、当局に批判の声が寄せられていたようだ。ごもっとも。
「停電で動かない信号機」の項でも書いたが、やはりホーチミン市民は、信号をあまり見ていないのだと思う。信号が赤か青かに関係なく、進めるときに進む。それが当地流なのかもしれない、我々日本人は「信号を守ったほうが安全で効率が良いのに」と感じるにしても。
そういうわけで、今週の笑ケースは「運転手には見えない信号」をランクインさせたい。それでは、お後がよろしいようで...。