現在、ホーチミン市は乾季、のハズなのである。ところが、時ならぬ大雨が降って来た。
3時間ほども、降り続いただろうか。ちょうどお昼ご飯に出ようと思っていた小生は、空きっ腹を抱えたまま、事務所から出られなくなってしまった。食い物の恨みは恐ろしい。まさに「恨みの雨」である。
「たかが雨程度で、外出できないなんて」というのは、ホーチミンの雨の恐ろしさを知らないからいえること。というわけで、今日の写真を見て欲しい。
これはようやく雨が小降りになって外出できたときに撮ったパスター通りの様子。道路は冠水し、向うずねの辺りまで来ている。ここは市内中心部、東京で言えばさしずめ新宿東口アルタ前、大阪なら大阪駅前といったところか。そういった場所でも、簡単に道路が水没してしまうのだ。
私の隣で雨宿りをしていた、天秤棒を担いだ物売りのおばちゃんに話を聞くと、「これでもねえ、水は減ったんだよ。1時間くらい前は、ワタシの膝くらいまで水が来ていたからねえ。ワッハッハ」だって。笑っている場合じゃないだろって。いや、庶民はたくましいと見習うべきか。
水深がそこまであると、この街の主要交通手段であるバイクはお手上げ。マフラーの中に水が入ってしまい、エンジンが止まってしまうのだ。そうなると、バイクを押してとぼとぼと歩くしかない。
よくしたもので、市内に何箇所か、いや至るところにある洪水地点を抜けたところでは、大雨になるとバイクの修理屋が、まさに雨後のタケノコのように出現する。修理代は5万ドン程度(約270円)。しかし修理をして走り出したところで、またすぐに、別の洪水が待っている。
だから、雨量が洪水になりそうなレベルになると、外出は自重するのが賢明なのである。例えどんなにお腹が空いていても。
というわけで、今週の「街角笑ケース」殿堂入りは、「大雨で川になった大通り」。お後がよろしいようで…。