これは今朝、出勤途上に通過した信号機。この一帯は停電らしく、この手前の信号機も、その次の信号機も、いずれも電気が消えていた。日本では、例え停電になっても信号機だけは、非常用のバッテリーか何かがあって消えないという話を聞いたことがある。
しかし、ベトナムの信号機は、停電になるとあっさり消える。バイクで15分ほどの通勤途上にある信号機が全部、消えていたこともある。そのときは、「他が停電でなくても信号機が率先して消えるんじゃないか」とすら思ったものだ。
それでも、大した混乱も事故もなく、道路が機能しているのは、いや、笑い話ではなく、感嘆してしまう。
そもそも、小生がホーチミン市に来た頃は、信号機というものが、滅多になかった。今でも、相当大きな交差点でも、信号機がないところは少なくない。また、フランス統治時代の名残で、ロータリーになっていて、信号機がつけにくい構造になっている交差点もある。
そんなわけで、ホーチミン市の人は、元々、信号機を見る習慣があまりないのだと思う。
小生は以前、赤信号で停まっていると、バイクに追突されたことがある。加えて、追突してきた相手のほうが、
「車が通っていないのに、どうして停まっているんだ!」
と怒るので、反射的に、
「すいません、信号が赤だったので…」
と謝ってしまったのは、今、思い出しても不覚である。
ベトナムの笑い話に、信号の見方を子供に教える親の話がある。
親「信号が青のときは進め。じゃあ、黄色のときは?」
子「急いで進め」
親「じゃあ、赤のときは?」
子「警察官がいないのを確認して進め」
まあ、他の国でもありそうな冗談だが、日本に比べ、ベトナムではかなりリアリティが高い。
これに「じゃあ、信号がついていないときは?」が加われば、完璧という感じだ。答は、さしずめ「直交している道路から入ってくる車に負けないように進め」だろうか。
というわけで、今週の「街角笑ケース」殿堂入りは、「停電で動かない信号機」。お後がよろしいようで…。