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【ベトナム基本情報】
2009年4月14日付けの以下のニュースでお伝えした、ハノイとハロン湾を結ぶ列車・ハノイエクスプレスですが、利用者がおらず、運行を中止したとの発表がありました。ご注意ください。
(2009年5月19日発信)
提供:ベトナム観光文化情報センター
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(以下、2009年4月14日付けの記事)
2009年4月10日より、ハノイとハロン湾を結ぶ列車・ハロンエクスプレスの運行が開始されました。ハノイ市内からハロン湾まではバスが頻繁に運行されており、約3時間半で到着するバスのほうが速いのですが、鉄道ファンの方や、列車でのんびり旅情を楽しみながら移動したい方には、新しい楽しみができたと言えるでしょう。
運行スケジュールと料金は以下の通り。
ハノイ・ザーラム駅 07:05発 → ハロン湾駅 12:00到着
ハロン湾駅 15:00発 → ハノイ・ザーラム駅 20:05到着
料金:US$ 15(片道/外国人料金)、*ベトナム人は US$ 5。
車両は韓国で使われていた中古車両を改装したもの。6両編成でそのうち1両が食堂車になります。車内には水洗トイレ、液晶テレビもあるそうです。
ベトナム北部でもどんどん気温が上がっており、6月くらいからは、ハロン湾でも泳げるようになります。8月くらいまでは、シーカヤックなどのマリンスポーツにも最適のシーズン。ぜひこの機会に世界遺産・ハロン湾を訪れてみてください。
なおザーラム(Gia Lam)駅は、統一鉄道やサパ行きの列車が発着するハノイ駅とは異なります。またザーラムバスターミナルからも2キロほど離れていますので、ご注意ください。市内中心部からタクシーを利用するのが一般的で、所要時間は15分程度です。
提供:ベトナム観光文化情報センター
街中をバイクで移動中、「Manga cafe」という看板が目に留まりました。これって、もしかして「漫画喫茶」のこと? 「確かめるには入ってみるのがいちばん」と入ってみたところ、想像していたのとは違いましたが、確かに漫画喫茶でした。
入り口近くは普通のカフェ。しかし、お店の奥にはコミックが収められた横幅3メートルほどの書棚があり、その数はざっと1000冊以上。そして階段を上がった2階は30畳ほどの大きなカーペット敷きのスペース。そこに、座布団とちゃぶ台ほどの低い机が20セットほど置かれています。
お客さんは若い人ばかりで20人ほど。午後2時というこの時間帯に漫画喫茶に来るということは、授業が早く終わった大学生でしょうか。
1階で漫画を選んで2階に持って来て、飲み物を頂きながらゆっくりコミックを読むという方式だそうです。アイスミルクコーヒー(2万ドン)を注文した後、1階に下りてコミックのラインナップを見てみました。
ベトナム語は横書きなので、日本とは逆に左(つまり日本だと裏表紙)から始まるようになっています。版型は全部日本のコミックサイズで、もちろんすべてベトナム語。ただ国産コミックかというと、そうではないようです。と言うか、私が手に取ったものは、どれも日本のコミックばかり。
4冊、借り出して自分の席に戻って見てみました。『DRAGON BALL』『RAIVE』は、いうまでもなく、それぞれ『ドラゴンボール』『RAVE』のこと。『TENCHI hau dau』は、どうやら奥田ひとし作の『天地無用』のようです。試しに『YAIBA』の第22巻をアマゾンで確認したところ表紙も同じでした。
「ベトナムの漫画はないの?」
と店員さんに尋ねると、「あるわよ」と出してくれたのは、片手で持てるほどの冊数。それ以外は、ほとんど日本のコミックだそうです。
ベトナムで日本のコミックが人気だというのは、以前から聞いて知っていました。その筆頭は「ドラえもん」。1992年、タイ語版から翻訳されたものが、大手出版社であるキムドン(Kim Dong)社から出版され、発売後3ヶ月で30万部という、ベトナムでは異例中の異例と言われる大ベストセラーとなったそうです。
その時は、いわゆる「海賊版」でしたが、1996年に出版元である小学館の版権担当者が渡越して、キムドン出版社と話し合いを持ち、著作権料を支払うことで和解しました。なお、このお金は小学館によって「ドラえもん奨学基金」に寄付されたそうです。その後2005年までの間に「ドラえもん」は2000万部以上売れたといわれています。
ちなみに『DORAGON BALL』と『YAIBA』はキムドン出版社、『TENCHI hau dau』がチェ出版社、『RAVE』がヴァンホアトンティン出版社が、それぞれ発行元となっていました。
それにしても、これほどまでにいろんな日本のコミックがベトナムに入り込んでいるというのは、新しい発見でした。聞いてみると、こういった日本のコミックを揃えた「漫画喫茶」は、ホーチミン市内に他にも何軒かあるそうです。
それでは皆さん、良い一日をお過ごしください。
<データ>
Manga Cafe マンガカフェ
住所:33 Vo Thi Sau, Q.1, TP.HCM
電話:08-38201454
営業時間:7:00~23:00
英語メニューあり/トイレ○/無線ランあり
小生が愛用しているヘルメットが古くなったので、買い換えることにした。中のスポンジがボロボロになって、着脱するたびに、頭にゴミがつくのである。
ヘルメット屋に行くと、いろんなデザインのヘルメットが並んでいて楽しませてくれた。そこで今日は、ヘルメットに関する笑えるお話を紹介しよう。
ベトナムでヘルメット着用が義務化されたのは2007年12月15日のこと。それまで「ヘルメットなんてダサイ」と目の敵にされており、実は、ヘルメット着用の法制化も何度か、庶民の反対でボツになってきたらしい。「王様の法も村の垣根を越えない」というベトナムの格言にも象徴されるように、庶民の自主性の強いベトナムならではである。
ちなみに、反対の理由の一つに「アオザイにヘルメットは似合わない」というのがあったという。確かに、黒髪を風になびかせながら、バイクで颯爽と走るアオザイ姿を見慣れた人間には、妙に説得力がある理由である。
それがついに義務化された後、ベトナムでブームになったのがヘルメットファッションである。ヘルメットに見えないデザインのヘルメットが次々と登場した。写真にあるのは、野球帽をかたどったヘルメット。普通のヘルメット(赤いヘルメット)が17万ドン(約950円)なのに対し、野球帽タイプは12万ドン(約670円)と値段もお得だ。
日焼けを気にする女性には、ヘルメットサンバイザーが人気。普通のヘルメットにサンバイザーをつけて、写真を撮らせてもらった。こちらは3万ドン(約170円)。人によっては複数持っていて、デートに行くとき用の「勝負服」ならぬ「勝負サンバイザー」というのもあるらしい。
「ヘルメットをかぶること自体が、カッコいい」と思っている人も出てきたようだ。過日、屋台でバンミー(ベトナム風バゲットサンド)を売っているオジさんが、ヘルメットをかぶっていたので、
「どうして?」
と尋ねると、
「だってカッコがいいだろ」
という答が返って来て、言葉に詰まったことがある。
あんなに嫌がっていたヘルメット着用が義務化されても、それをファッションに取り込んで楽しんでしまうベトナム人、いつものことながら、柔軟というか、したたかだなあと思ってしまう。
問題は、それらファッションヘルメットの多くは、強度が不足していて役に立たないのだという。う~ん、まさに本末転倒。
そういうわけで、今週の笑ケース殿堂入りは「ヘルメットファッション花盛り」に決定。お後がよろしいようで。
高さ約30mという巨大な鉄筋コンクリート製の建造物。
これは、貯水および水圧強化を目的として作られた給水塔。日本の水道局に相当するサイゴン水道総公社(サワコ)の敷地内にある。
給水塔は、ベトナム戦争が終結した1975年以前に作られた。ホーチミン市内には、大小合わせて100基以上あるが、実は数十年前から、まったく使われていない。
というのも、各家庭が、自分で屋上に貯水タンクを備え付けるようになったものだから、給水塔は必要なくなってしまったのである。
中には、完成直後に水漏れが発覚して、40年余、一度も使われたことがない給水塔もあるという。
ホーチミン市当局は、2009年4月、サワコに対し「今後、どうするつもりなのか、検討して報告すべし」という勧告を行ったそうだ。しかし「取り壊そう」「いや、補修すれば使える」と議論百出。市内各所に残された給水塔たちの帰趨は、当分定まりそうにない。
【アクセス】
サワコ(SAWACO)はホーチミン市中心部にあるHo Con Ruaという名前のロータリーにある。聖母マリア大聖堂から徒歩約5分。部外者は敷地内へは入れないが、外からでも給水塔は見える。大型給水塔は、バータンハイ通り(10区)、ホーヴァンフエ通り(フーニュアン区)などにもある。
旅行をするときに、知っていると得をする、そんな情報をお届けします。
●週末に泊まると、1泊、オマケが付いて来る
レジェンドホテルサイゴン(ホーチミン市)
ホーチミン市にある最高級ホテルの一つ、レジェンドホテルでは、週末に2泊またはそれ以上、宿泊する場合、その直前の金曜日の晩も無料で宿泊できるというキャンペーンがあります。
実施期間は6月1日から9月1日まで。
レジェンドホテルサイゴン
www.legendsaigon.com/
●世界遺産の町・ホイアンにある人気リゾートのお得なパッケージ
ライフヘリテイジリゾート・ホイアン(ホイアン)
そのチャーミングな旧市街が世界遺産に指定されているホイアン。その一角にあり、フレンチコロニアル様式の優雅な佇まいが人気のライフヘリテージリゾートホイアン。
同リゾートが、ツインルーム2泊で196米ドルというお得なパッケージを提供中です。このパッケージには、ダナン空港までの送迎、1回のセットディナーなども含まれています。
実施期間は10月15日まで。
ライフヘリテイジリゾート・ホイアン
www.life-resorts.com/
●オープンしたばかりの高級リゾートが、期間限定で特別料金に
チェンラリゾート(フーコック島)
2008年11月にオープンしたばかりの高級リゾート・チェンラ・リゾートでは、2泊以上宿泊する場合、正規料金で316米ドルのシーヴューバンガローに、99米ドルで泊まれる、サマーパッケージを展開中です。
実施期間は9月30日まで。
チェンラリゾート
www.chenla-resort.com/
それぞれのキャンペーン内容についての詳細は、直接ホテルへ、もしくは旅行代理店にお問い合わせください。
提供:ベトナム観光文化情報センター
ホーチミン市は本格的な雨季に入ったようである。雨に濡れたままバイクを走らせたのが悪かったのか、風邪を引いてしまった。これがなかなかしつこく、日本から持って来た風邪薬を飲んでもなかなか治らない。熱はないのだが、咳が止まらないという状態が3日も続いている。
昨晩のことである。
「こういうときは、これが効きますよ」
小生が住んでいるミニホテルの親父が、お弁当箱ほどの新聞紙の包みを持って来た。そこからは、プーンと漢方薬特有の臭いが立ち上っている。
「これはThuoc xong cam(トゥックソンカム)というものでね、ダンナの咳なんか、これを1回やるだけで、一発でなくなりますぜ」
ちなみにThuocが薬、xongが蒸気、camが風邪の意味である。1包が5000ドンというから、大体30円くらい。
「ものは試し」と、やってみることにした。
まずは大きな鍋にたっぷりの水とこのトゥックソンカムを入れて、ぐつぐつ煮る。しっかり沸騰したら、シーツでも毛布でもいいから何かをかぶり、密閉された中でこの鍋の蓋を取って、その蒸気を吸い込むのだという。
私はパンツ一枚になって床に座り毛布をかぶって、ぐつぐつ煮立った鍋が運ばれてくると、それを毛布の中に入れて蓋を取った。
熱い。顔がピリピリと痛くなるほどだ。
「熱いよ!」
というと、心配してくれてであろうか、周りに集まって来た大家の一家が、
「熱くても我慢して! 顔だけでなく、胸にもその蒸気を当てるといいのよ」
とアドバイスしてくれる。さらに「これも入れて」と、小さな皿に入った塩を毛布の中に差し入れてくれた。
漢方薬の臭いのする蒸気を、口から鼻から吸い込む。顔からはポタポタと汗が落ち、鼻水も出てきた。表面の温度が下がると、長い箸で鍋の湯をかき混ぜて、また熱い蒸気を立ち上らせる。カッコよくいえば「ホームサウナ」といったところだろうか。
これを15分くらい続けたところで、ようやく、
「そろそろいいでしょう」
とお許しが出て、毛布の外に這い出した。鏡を見ると、顔から胸まで真っ赤である。体中、汗でいっぱい。バスタオルで体の汗をぬぐう。薬草の効果を持続させるため、1時間程度はシャワーを浴びないほうがいいそうだ。
小生が着替えて自室から出てくると、大家の一家が、
「あの中って、熱かった?」
「蒸気を吸い込むとどんな感じになるの?」
などと次々と質問を投げかけてくる。どうして?
「キミたち、いつもやっているんじゃないの?」
と尋ねると、一同大笑い。
「ハハハ、我が家で、あれをやった人間はいないんだ。だからみんな興味津々なんだよ。風邪を引いたときは、ダンナの国・日本製の風邪薬がいちばんさ」
平然とした顔で、ご主人がそう答えてくれた。
肝心の効き目だが、これが抜群。一夜明けた今朝には、あれほどしつこかった咳がピタリと止まってしまったのだから。
まさか自分が「笑ケース」のネタにされるとは思わなかったが、今週は「しつこい咳には1回30円のホームサウナ」を殿堂入りさせることにしたい。お後がよろしいようで…。
ベトナム人の友人から「私の友達が個展をするので見に行って」と案内をもらい、会場にやって来ました。といっても、作品が飾られているのは画廊ではなくカフェ。店名を「ヒミコヴィジュアルサロン」といい、主にベトナムの若い芸術家たちの作品を紹介しているカフェなのです。
このカフェができたのは2005年のこと。開いたのは、当時、ホーチミン市美術大学を卒業したばかりの若いベトナム人彫刻家。ベトナムの若い芸術家の作品を、広く一般の人に見てもらえる場を作ろうと考えたのだそうです。
その後、場所は移転しましたが、オープン当初の志はそのままに、芸術家と芸術好きのホーチミンっ子たちの交流の場となっています。まだまだベトナムアートの評価は、世界的には低いようですが、このカフェに何度か足を運んでいると、型におさまりきらない強い個性が感じられる作品に出会うこともあり、将来が楽しみです。
カフェは、大通りから少し入った路地の中にあって静か。路地の入り口には、店名が書かれた赤い看板が出ているので、それが目印です。通りに面した1階の入り口には、彫刻が無造作に置いてあったりして、アートな雰囲気をかもし出しています。
とは言え、堅苦しさとは無縁。今も、お店の入り口では、店員さんが「今日のお昼ご飯のおかずなの」と、魚を焼いているのですよ。こういうところが「ベトナムだなあ」と感じます。日本では、考えられないですよねえ。
ちなみに店名「ヒミコ」は、邪馬台国の卑弥呼ではなく、大江健三郎の小説『個人的な体験』の登場人物「火見子」に由来するそうです。オーナーさんは、日本への留学経験もあるとのこと。まだお目にかかったことはないのですが、日本滞在中に同書を読まれたのでしょうか。
芸術作品を眺めながらコーヒーを飲む土曜日の午前中。なんだか良い週末になりそうな気がしてきました。それでは皆さんも、良い一日をお過ごしください。
<データ>
Himiko visual saloon ヒミコビジュアルサロン
住所:324Bis Dien Bien Phu, Q.10, TP.HCM
電話:0958881908
営業時間:8:00~23:00
ウェブサイト:http://www.himikokoro.com/
英語メニューあり/トイレ○/無線ランあり
「ベトナムでは、バイクのことをホンダって言うんだぜ」
ホンダ(本田技研工業)に勤務する友人からこの話を聞いたとき、小生は「愛社精神を持つのはいいけれど、そんなワケないだろう」と一笑に付した。
こちらに赴任した直後、ベトナム人スタッフから「ホンダは買いましたか? まだなら買いに行きましょう」と言われたときも、まだ半信半疑。そしてお店に行き「このホンダがお買い得ですよ」と勧められたのは、音叉のマークが入ったヤマハ製。
同行してくれたベトナム人スタッフに「これ、ヤマハだけど?」と聞くと、「そうですよ、ヤマハ製のホンダです」と「コイツ、何を聞くんだ?」みたいな顔で回答された。いや、ウワサは本当だったのである。友よ、疑って悪かった。
今回の写真を見て欲しい。これは路上のバイク修理屋の看板。「Sua Xe Honda」は、バイク修理の意味である。Suaが修理、Xeが車、Xe Hondaで2輪車。もちろん、ヤマハでもカワサキでもスズキでも修理してくれる。
2輪車を意味するベトナム語も、別にちゃんとあってXe mayというが、「ホンダ」は一般名詞として、当地では完全に市民権を得ている。
だから「お前のホンダはどこ製だ?」「オレのホンダはヤマハだ」「そうか、オレのホンダはホンダだ」という冗談みたいな会話がマジメに交わされることになる。
ホンダが一般名詞化したのは、やはりシェアが高いから。かつてスーパーカブタイプの「ホンダドリーム」というバイクが大人気。当時、1台の値段が約2000ドルと、平均的な会社員の年収を上回る額だったので、これを買うのは、庶民にとってはまさに「夢」だったそうだ。ホンダ以外のバイクも数多く出回っている今も、いちばん人気はホンダ製と言って間違いない。
派生した言葉もある。バイクタクシーを意味するベトナム語は「セオム」(直訳すると「抱きバイク」)だが、「ホンダオム」でも問題なく通じる。バイクを流しながら客を探す売春婦を「ホンダガール」というように、好ましからぬ用例もある。
ちなみに4輪車はXe Toyota。というのは、真っ赤なウソで4輪車はXe hoiである。お間違えなきよう。
そういうわけで、今週の「街角笑ケース」殿堂入りは「バイクはホンダ」。お後がよろしいようで…。
今日4月30日は南部解放記念日で、ベトナムは祝日。1975年のこの日、北ベトナム軍がサイゴン市(現ホーチミン市)に無血入場し、ベトナム戦争が実質上、終わった日なのです。
わざわざこの日を選んでやって来たのは、ホーチミン市きっての繁華街・ドンコイ通りに2ヶ月ほど前にできた「カティナカフェ」。ここはドンコイ通りの起点にあたり、カフェの窓からはサイゴン川が、向かいには1925年にできたコロニアル調のマジスティックホテルが見えるという、絶好のロケーション。
そして、この「カティナ」という名前は、実はとても由緒ある名前なのです。
フランス統治時代、このドンコイ通りは、カティナ通りという名前でした。その当時からサイゴンの街を代表する通りで、「カティナ通りを散歩する」というのは、たいそう、お洒落なことだったそうです。映画『インドシナ』では、当時のカティナ通りの様子が再現されています。
その後、フランスが撤退すると、通りはトゥーユー(自由)通りとその名前を変えました。今の名称・ドンコイ通りになったのは、1975年にベトナム戦争が終わり、南北ベトナムが統一された後です。
そんな由緒ある名前を頂いたカティナカフェですが、中身は普通のカフェ。目の前にあるトンドクタン通りは、大型車の往来が激しく、ゆっくりと昔日に思いを馳せようという雰囲気には程遠かったのが、ちょっと残念。
ちなみに、現在のベトナムの通りの名前は、歴史上の人物や事件などをつけている場合が多く、ドンコイとは「一斉蜂起」の意味。1960年に南部で起こった独立運動の名前にちなんだそうです。実はちょっと物騒な名前だったんですね。
ドンコイ通りのように、その時々の支配者が変わるのにつれて、名前が二転三転した例は珍しくありません。フランス統治時代、サイゴン川沿いに走るトンドクタン通りはナポレオン通り、ハイバーチュン通りはナショナル通りだったそうです。
南北統一後、トゥーユー通りはドンコイ通りと名前を変えました。その日、ホーチミン市民は「ああ、サイゴンから自由がなくなった」と天を仰いで嘆息したとか。
それでは皆さん、良い一日をお過ごしください。
<データ>
Catinat Cafe カティナカフェ
住所:2 Dong Khoi, Q.1, TP.HCM
電話:なし
営業時間:6:30~23:00
英語メニューあり/トイレあり
【[一押し街歩き]】
私は骨董好きのオヤジである。今回旅行に来たベトナム・ホーチミン市にはレコンキウ通りという骨董街があると聞いて、ツアーを半日離脱、やって来た。
通りは端から端まで歩いても5分とかからない。しかし両側はほとんどすべて骨董屋である。その数ざっと70軒。古伊万里のような陶器、古びた家具、木製の昔のカメラ、ランプ、仏像に古銭など、品揃えはかなり豊富。人通りは少なく、喧騒の街の中で、ここだけは時間がゆっくり流れているようだ。
私もお目当ては仏像。それもアンティークと言える100年以上前のもの。6軒目でようやく、私の希望に合う品が見つかった。
値段を尋ねると1000米ドルだという。これは安い! 掘り出し物だ。「売れない」と渋る主人を強引に説き伏せ、私はそれを買い求めた。
その晩、夕食のときに、添乗員から翌日の行程の説明があった。
「明日はベンタイン市場に買い物に行きます。香木や骨董品は、購入されても国外へは持ち出しできませんので、ご注意ください」
え? ということは、私の仏像も…。
【アクセス】
ベンタイン市場から徒歩5分。