2階建ての古いフレンチヴィラをカフェにしたもので、建物の周りには小さな庭もあって、のんびりするには、うってつけの雰囲気。エアコンはありませんが、窓がたくさんある開放的な作りなので、意外と暑さは感じません。
ベトナムで人気のカフェの中には、音楽が大音量で流れていて頭が痛くなるところもあるのですが、ここは音量が絞ってあり邪魔になりません。夜になるとライブ演奏もあります。
友達とのんびり朝食をとる人たちが集う朝から、ゆっくりと語らうカップルが来る夜まで、どの時間帯に来ても賑わっています。こういうところに来ると、経済的には恵まれないベトナムの人たちが、精神的には恵まれた時間をいっぱい持っているような気がしてしまいます。
安月給で働く私も、そんな豊かな時間をおすそ分けしてもらうため、時々、立ち寄るのです。しかし、そろそろせわしない現実にもどらなければいけない時間が来てしまいました。
それでは皆さんも良い一日をお過ごしください。
<データ>
セレナータ Serenata cafe
住所:6 Ngo Thoi Nhiem, Q.3, TP.HCM(市民劇場から車で15分)
電話:08-39307436
営業時間:06:30~23:00
英語メニューあり/無線ランあり/夜はライブあり/トイレ○
「35万ドンです」
「高いなあ。もうちょと勉強してよ」
「いや、これは本物のサムソナイトですからねえ。お客さんも、サムソナイト、ご存知でしょう? 世界の一流ブランドだから、値引きするわけにはいかないねえ。じゃあこっちはどうです?」
そういって差し出されたアタッシェケースにも、やはりサムソナイトというロゴが入っている。
「こっちなら28万ドンでいいですよ」
「これもサムソナイトじゃないの?」
「いいえ、こっちは本物じゃなくて、コピー商品。だから安いんですよ」
本物よりコピーが安いのは当然としても、35万ドンというと2000円足らず。本物のサムソナイトとしては安過ぎないか?
「これって、本当に本物のサムソナイト? サムソナイトの工場がベトナムにあるの?」
「もちろん、これは本当に本物のサムソナイトを忠実に再現して、ベトナムで生産したものですよ」
え? 話がややこしくなって来たぞ。彼に再確認する。
「つまりこの本物のサムソナイトも、サムソナイトじゃなく、ベトナムのどこかの会社が作っているんだよね。業務提携とかしているの?」
「いや、そういう面倒なことはしていないけど、本物のサムソナイトを忠実に再現した、つまり本物のコピーですよ。こっちの28万ドンの偽物のコピーとはワケが違う」
どうやら、彼の頭の中では、コピー商品にも「本物のコピー」と「偽物のコピー」があるらしい。「本物のコピー」も偽物であると思うのだが、話が長引きそうだったので、35万ドンの「本物」を、交渉の結果、32万ドンで購入した。
そうして使い始めて半年。確かに丈夫で快適だ。さすがに「本物のサムソナイト製」だけのことはある、と言ってしまっていいのだろうか?
小生がこれを買ったのは、サイゴンスクエアという、違法コピー商品が安く買えることで有名なマーケット。入り口の写真を載せておく。ここでは「本物」のロレックスの腕時計や、「本物」のナイキのスポーツウェアが、数千円という値段で買えてしまう。それらの「本物」も「本物からのコピー」という意味の「本物」なのであろう、きっと。そもそも、ここに本物があるなんて期待はしていなかったのだが。
そういうわけで、今週の笑ケースは「本物のコピーは本物? 偽物?」という形而上学的な質問を、皆さんに投げかけることにしたい。それでは、お後がよろしいようで...。
(担当:越野南雄)
写真の名刺整理箱をよく見て欲しい。若干、商品名の印刷のズレなどはあるが、どう見ても同じ物に見えるだろう。しかし、実は上のものは7万2000ドン(約390円)、下が16万ドン(約890円)と、値段が2倍以上違うのである。どうして、こういうことになったかというと...。
小生、今まで名刺フォルダを使って名刺を整理していたのだが、故あって名刺整理箱に移行することにした。そこで2週間ほど前、グエンフエ通りにあるファハサという書店の文房具売り場に行き、800枚収納できるものを7万2000ドンで購入。
使ってみるとなかなか具合がよろしい。そこで、もう一つ購入しようと、数日後に同じ店を訪れた。店員さん曰く、
「ああ、あの商品、人気で売り切れちゃったんですよ。でも、追加で入荷予定ですから、1週間ほどしたら、また来てください」
とのこと。
言われた通り、今日、店を訪れると同じ型番の商品がちゃんと入荷している。それをレジに持って行き、10万ドン札を出した。
「あの、お客さん、お金が足りないんですけど」
「え? これ7万2000ドンじゃないの?」
「いいえ、16万ドンになります」
は? 16万ドンって、倍以上の金額ではないか。小生は商品を箱から取り出して、いろいろ確認してみたが、2週間ほど前に購入したものと、どう見てもまったく同じである。
何かの間違いだろうと、その店で買うのは止めて、他の店も回ってみる。しかしその後回った2軒の店でも、売値はいずれも16万ドン。「値引きしてよ」と交渉しても、まったく応ずる気配もない。
仕方なく、16万ドン払って購入し、自宅に持ち帰って見比べてみた。それが冒頭の写真である。ご覧の通り、同じにしか見えない。2週間前、まだ7万2000ドンで売られていたとき、まとめ買いしておけば良かったと後悔したが、時既に遅し。
それにしても、どうして2週間少々で、金額が倍になってしまったのだろう。差額の8万8000ドンは、小生にとって3回分くらいの昼食代である。笑い事ではない。まあ、こうしてブログのネタが一つできたと自分を慰めるしかないか。
そういうわけで、今週の笑ケースは「2週間で値段が2倍以上に」としたい。それでは、お後がよろしいようで...。
(担当:越野南雄)
先日紹介した「カフェハイエンド」では、真空管アンプやレコードプレーヤーは、少なくとも私が行ったときには動いていませんでしたが、こちらアナログゾーンカフェでは、ちゃんと真空管アンプが使われており、しかもスピーカーは大型のタンノイ。
この手のカフェ、やはり最近のホーチミン市の流行といって良いようです。市内中心であるドンコイ通り周辺にあるカフェは、機能的だったり、雰囲気が何となくせわしなかったりするのですが、ここ3区は、どちらかというと住宅街。ゆっくりとした雰囲気で時間を過ごせるお店が多いように思います。
このアナログゾーンの向かいの路地の奥にも、雰囲気の良い古い一軒家を使った、「セレナード」というヴィラカフェがあります。カフェでまったりしたければ、中心部を出るのが良いようですね。
<データ>
アナログゾーン・ハイエンド・オーディオカフェ The analog zone hi-end audio cafe
住所:29 Ngo Thoi Nhiem, Q.3, TP.HCM(市民劇場から車で15分)
電話:08-73036369
営業時間:07:00~23:00
英語メニューあり/無線ランあり/トイレ○
(担当:西田 貢一)
店名は「ユートピアカフェ」。ホーチミン市のリトルトーキョーと呼ばれることもあるレタントン通りにあります。
日本語の本が3000冊以上、DVDが1500枚以上と豊富にあり、貸し出しもしてくれます。それ以外にもカフェ主催のツアー、ビザや航空券の手配、ベトナム語教室、日本語ができるベトナム人弁護士先生の法律相談などなど、手広いサービスを行っています。食事のメニューも充実していて、宅配業務までやっています。
そういうわけで、このカフェが在住日本人の「たまり場」になっているのも、当然と言えるでしょう。もっとも、そういう雰囲気が苦手で、ここに立ち寄らない日本人在住者もいますが。
以前は、「日越ひろば」という名前だったそうです。現地に住む日本人とベトナム人との交流の場になって欲しいという希望があって、当時のオーナーさんがつけたとのこと。オーナーは代わり、場所も引っ越しましたが、今でもその志は引き継がれ、ベトナムと日本が交流できる「ユートピア」になろうということで、この名前にしたそうです。
今、これを書いている横でも、中年の日本人男性が、カフェのスタッフである若いベトナム人の女の子からの「これは日本語で何というのですか」という質問に答えています。多額のODAももちろんいいですが、こういう草の根での交流も大切ですよね。
<データ>
Utopia Cafe ユートピアカフェ
住所:8/19A Le Thanh Ton, Q.1, TP.HCM(市民劇場から車で5分)
電話:08-6290-9430
ウェブサイト:http://utopia-cafe.com/
メール:shop@utopia-cafe.com
営業時間:09:00~22:00
日本語・英語メニューあり/無線ランあり/トイレ○
まずは写真をご覧頂きたい。
ちょっと分かりにくいかもしれないが、信号機と停止線が同じ位置にあるのが、お分かり頂けるだろうか。これなどはマシなほうで、時には、停止線より手前に信号機がある場合もある。当然のことながら、停止線で停まっている運転手には、信号が青になったのが見えない。
どうなるかというと、信号が青に変わると、後続車両がクラクションを鳴らし、それでようやく先頭車両は「ああ、信号が青になったのだな」と気がつき、やおら車を発進させるのである。
先日、日本からやって来た客人が、これを見て、
「そもそも、どうして信号機が、道路の向こう側にないのかね?」
と質問してきて、小生も答に詰まってしまった。どうしてだろう? 確かに、日本のように、対面に信号を設置すれば、こういうことは起こらないのに...。
数年前だったか、国外から多額の資金援助を得て、信号機の整備が行われた。その時に、信号機の位置も変わるのかと思ったら、位置はそのまま。それどころか、現在、使われている信号機の横に、もう一つ新しい信号機が設置されるというケースもあった。信号のない交差点は、まだまだたくさんあるのだから、そこにつければいいのに...。
これに関しては、ホーチミン市民からも「これではお金の無駄遣いではないか」と、当局に批判の声が寄せられていたようだ。ごもっとも。
「停電で動かない信号機」の項でも書いたが、やはりホーチミン市民は、信号をあまり見ていないのだと思う。信号が赤か青かに関係なく、進めるときに進む。それが当地流なのかもしれない、我々日本人は「信号を守ったほうが安全で効率が良いのに」と感じるにしても。
そういうわけで、今週の笑ケースは「運転手には見えない信号」をランクインさせたい。
それでは、お後がよろしいようで...。
(担当:越野 南雄)
20年間連れ添った夫婦が、知人の娘さんの結婚式に列席することとなった。新郎新婦が指輪の交換をする段になって、来賓席の夫がおいおい声を上げて泣き始めた。
驚いた妻が、
「あなたがそんなに感激するとは意外だわ」
というと、夫が答えた。
「そうじゃないんだ。結婚前のこと、ベトコンだった君のお父さんが、『オレの娘と結婚しなかったら、強制収容所送りにするぞ。そうすれば、君は20年間は出て来られない』と脅したんだよ」
夫はますます泣き声を激しくして続けた。
「あの時、おとなしく収容所送りを受け入れていたら、20年後の今頃は自由の身になっていただろうと思うと、悲しくて泣かずにはいられないんだ」
ベトナムの女性は、しっかりしている反面、ご主人の管理の厳しさも日本人女性の比ではない。
普段、20分で会社から帰宅するところ、25分かかると、それだけで、「あなた、浮気していたんでしょう」と厳しく詰め寄られる。夫が帰宅すると携帯電話の通話記録を調べるなんていうのも、別に珍しい話ではない。例え会社の部下への業務メールであっても、相手が女性であれば妻にCCを入れることが求められる。
奥さんの管理から逃れようとしようものなら大変だ。大衆新聞には、浮気した夫に怒った奥さんが、あそこをちょん切ったとか、浮気相手の女性の顔に硫酸をかけたとか、そういう記事がちょくちょく載っている。
この冗談、おそらくはいろんな国で形を変えて語られているだろうと思うが、ベトナムは、そういうお国柄だけに、非常にリアリティがあるのだ。
店内にあるのは、ほとんどがベトナム語の本ですが、洋書や写真集のコーナーもあります。店内の本は自由に席に持って行って、飲み物を頂きながらゆっくり立ち読みならぬ、座り読みが可能。もちろん、書店とは関係なく、普通のカフェとして使うこともできます。
ブックカフェは他にもありますが、これまでのお店は、置かれている本の数は多くなく、インテリアの一部として飾ってあります、という感じでした。フォンナム社という書店グループが経営するここは、ホーチミン市初の本格的なブックカフェと言えるでしょう。
また、このお店が入っている建物は、実はフランス統治下に建てられた由緒あるものなのです。観光名所として有名な人民委員会庁舎、中央郵便局、聖母マリア大聖堂などと並ぶ歴史を持つ、いわば文化財。
昔の資料を見ると、かつては、ここがフランス軍の兵舎の入り口になっていたようです。今では、レユアン通り、ディンティンホアン通りという、往来の激しい通りの角になっており、雰囲気はがらりと変わりましたが、建物そのものは、昔のまま残されていることが分かります。
そんなブックカフェで、本に囲まれながら写真集のページをめくっていると、ゆったりとした気分になってきます。
ちなみに、ドゥックコアとは「薬局」という意味。なぜ、こんな名前かというと、この建物の裏が、ホーチミン薬科大学なのです。店内では学生さんの姿もよく見かけます。
それでは皆さんも良い一日をお過ごしください。
<データ>
Bookcafe Duoc Khoa ブックカフェ・ドゥックコア
住所:2A Le Duan, Q.1, TP.HCM(市民劇場から車で5分)
電話:08-38229650
営業時間:07:00~23:30(無休)
ウェブサイト:http://www.pnc.com.vn
英語メニューあり/無線ランあり/トイレ○
どれもかなり甘ったるい味が特徴。炭酸が入っているスティングが、小生にはいちばん飲みやすく、本日もそれを2本、購入した。そして帰宅して机の上に置いたところ、「あれ?」である。写真をご覧頂きたい。
左右で内容量が違うのが見て頂けることだろう。手作りの製品のみならず、このような工業生産品でも、結構、サイズや量にばらつきがあるのが、ベトナムなのである。この程度のことは日常茶飯事。
以前、事務所内で席替えをしたときのことである。机を移動するのが面倒なので、引き出しだけ抜いて入れ替えをしようと思ったら、微妙にサイズが違っていて入らない。同じ業者に注文した、同じ型番の事務机であるにも関わらず...。
A4のコピー用紙を注文したら、大きさがまちまちで驚いたこともある。机は、まあ、恐らく手作りなんだろうから、統一性が保てないのも分からないではないが、コピー用紙のラインなんて、完全に機械化されているはず。それとも、パートのおばさんが、一枚一枚カッターで切っていたりするんだろうか、まさか...。
ベトナムコーヒーを入れる金属製のフィルターも、品によって穴の大きさが違うらしく、コーヒーが落ちる時間が全然違う。あるものはお湯が2分程度で落ちきるのに、15分以上かかるものもある。ちなみに、後者は明らかに不良品だ。
つまり、ビンジュースの中身が違う程度で驚いていては、ベトナムで生活はしていけないのであ~る! そういうわけで、今週の笑ケースは「内容量が違うビンジュース」で。
それでは、お後がよろしいようで...。
(担当:越野 南雄)
一方、鳥インフルエンザは、ベトナムで日本人観光客が通常出入りするような都市部で通常の観光を楽しむ上では、感染の心配は無用です。どうぞ安心していらしてください。感染の予防策として「死んでいる鳥や、弱っている鳥に近づかない」とあります。旅行中にそんなシーンに遭遇することは稀だと思いますが、例えば、動物園などは遠慮した方がいいかもしれません。
以下、鳥インフルエンザに関するウェブサイトを掲載します。出発までに目を通しておきましょう。
◇外務省・海外安全ホームページ
「感染症(SARS・鳥インフルエンザ等)関連情報について」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kansen/influenza/index.html
◇在ベトナム日本国大使館の鳥インフルエンザ情報
http://www.vn.emb-japan.go.jp/html/jinfo_tori_influenza.html
◇在ホーチミン市日本領事館からの安全情報
http://www2m.biglobe.ne.jp/~saigon/anzen1.htm
◇在ホーチミン市日本領事館からの風疹発生に関する情報
http://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/3/hojin/fushin2j.htm
◇メディカルトーク(ベトナムスケッチ)
http://www.vietnam-sketch.com/life/medical/index.html