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旅行費用が高くなる最大の原因は飛行機代。ホーチミン市からシェムリアップまでは、バスも出ており、これを使えば安くなる。これが第2の選択肢。
そこで、格安旅行の手配をしているベトナム最大手のツアーデスク・シンカフェを訪れてみた。ここはベトナム全土およびカンボジアに「オープンツアー」という名前のツアーバス網を持っており、ベトナムを旅するバックパッカー御用達の会社。

●シンカフェ
http://www.sinhcafevn.com/

ここではパッケージツアーの販売も行っている。対応してくれた若い男性スタッフが、バスを使った3つのパターンを説明してくれた。
1.往路に飛行機を使い、復路はバスを使う
2.往路にバスを使い、復路に飛行機を使う
3.往復どちらもバスを使う

ホーチミン市・シェムリアップ間は約600キロ、所要時間12時間。そのため、さすがに1泊2日という日程では無理で、ツアーは基本的に3泊4日になるとのこと。今回は4連休が取れるので問題ないし、同社のツアーには、シェムリアップだけでなく、首都・プノンペンも行程に含まれるというからお得な感じだ。

後で分かったのだが、これがホーチミン市からアンコール遺跡群を訪れるツアーの「定番中の定番」のようで、様々な会社が、このシンカフェと基本的に同内容のツアーを催行している。

バスを使った行程のヴァリエーションとして、片道は飛行機を使い、プノンペン観光を含まない2泊3日プラン、逆にプノンペン観光を1日増やした4泊5日プランもあったが、今回は休暇を目いっぱい使った3泊4日プランでいくことにした。

さて、それぞれの旅程の中身を比較してみた。
1.往路にバスを使い、復路に飛行機を使う
1日目:06:30にホーチミンを出発、13:30にシェムリアップ着。その後フリー。
2日目:午前はフリー。13:30にプノンペンを出発、18:00にシェムリアップ着
3日目:アンコール遺跡群観光
4日目:シェムリアップを出発、飛行機でホーチミン市へ
料金:729万ドン(約409US$)

2.往路に飛行機を使い、復路はバスを使う
1日目:午前にホーチミンを出発、午後にシェムリアップ着。その後フリー。
2日目:アンコール遺跡群観光
3日目:午前にシェムリアップからプノンペンに移動。午後はプノンペン観光
4日目:09:00にプノンペンを出発、15:30にホーチミン市着
料金:729万ドン(約409US$)

3.往復どちらもバスを使う
1日目:06:30にホーチミンを出発、18:30にシェムリアップ着
2日目:アンコール遺跡群観光
3日目:午前にシェムリアップからプノンペンに移動。午後はプノンペン観光
4日目:09:00にプノンペンを出発、15:30にホーチミン市着
料金:468万ドン(約263US$)

上記の値段はすべて食事代込みで、3つ星(中級)クラスのホテルに泊まった場合。遺跡入場パス(20US$)とカンボジアの空港税(25US$)は含まれていない。当然だが、往復バスを使うと断然安い。ホテルを2つ星に下げると、ツアー代は248US$にまで下がる。これは、バスを使うっきゃない、という感じではないか。

 

街中をバイクで移動中、「Manga cafe」という看板が目に留まりました。これって、もしかして「漫画喫茶」のこと? 「確かめるには入ってみるのがいちばん」と入ってみたところ、想像していたのとは違いましたが、確かに漫画喫茶でした。

入り口近くは普通のカフェ。しかし、お店の奥にはコミックが収められた横幅3メートルほどの書棚があり、その数はざっと1000冊以上。そして階段を上 がった2階は30畳ほどの大きなカーペット敷きのスペース。そこに、座布団とちゃぶ台ほどの低い机が20セットほど置かれています。


お客さんは若い人ばかりで20人ほど。午後2時というこの時間帯に漫画喫茶に来るということは、授業が早く終わった大学生でしょうか。


1階で漫画を選んで2階に持って来て、飲み物を頂きながらゆっくりコミックを読むという方式だそうです。アイスミルクコーヒー(2万ドン)を注文した後、1階に下りてコミックのラインナップを見てみました。


ベトナム語は横書きなので、日本とは逆に左(つまり日本だと裏表紙)から始まるようになっています。版型は全部日本のコミックサイズで、もちろんすべてベ トナム語。ただ国産コミックかというと、そうではないようです。と言うか、私が手に取ったものは、どれも日本のコミックばかり。


4冊、借 り出して自分の席に戻って見てみました。『DRAGON BALL』『RAIVE』は、いうまでもなく、それぞれ『ドラゴンボール』『RAVE』のこと。『TENCHI hau dau』は、どうやら奥田ひとし作の『天地無用』のようです。試しに『YAIBA』の第22巻をアマゾンで確認したところ表紙も同じでした。


「ベトナムの漫画はないの?」

と店員さんに尋ねると、「あるわよ」と出してくれたのは、片手で持てるほどの冊数。それ以外は、ほとんど日本のコミックだそうです。


ベトナムで日本のコミックが人気だというのは、以前から聞いて知っていました。その筆頭は「ドラえもん」。1992年、タイ語版から翻訳されたものが、大 手出版社であるキムドン(Kim Dong)社から出版され、発売後3ヶ月で30万部という、ベトナムでは異例中の異例と言われる大ベストセラーとなったそうです。


その時 は、いわゆる「海賊版」でしたが、1996年に出版元である小学館の版権担当者が渡越して、キムドン出版社と話し合いを持ち、著作権料を支払うことで和解 しました。なお、このお金は小学館によって「ドラえもん奨学基金」に寄付されたそうです。その後2005年までの間に「ドラえもん」は2000万部以上売 れたといわれています。


ちなみに『DORAGON BALL』と『YAIBA』はキムドン出版社、『TENCHI hau dau』がチェ出版社、『RAVE』がヴァンホアトンティン出版社が、それぞれ発行元となっていました。


それにしても、これほどまでにいろんな日本のコミックがベトナムに入り込んでいるというのは、新しい発見でした。聞いてみると、こういった日本のコミックを揃えた「漫画喫茶」は、ホーチミン市内に他にも何軒かあるそうです。


それでは皆さん、良い一日をお過ごしください。


<データ>
Manga Cafe マンガカフェ
住所:33 Vo Thi Sau, Q.1, TP.HCM
電話:08-38201454
営業時間:7:00~23:00
英語メニューあり/トイレ○/無線ランあり

 

小生が愛用しているヘルメットが古くなったので、買い換えることにした。中のスポンジがボロボロになって、着脱するたびに、頭にゴミがつくのである。

ヘルメット屋に行くと、いろんなデザインのヘルメットが並んでいて楽しませてくれた。そこで今日は、ヘルメットに関する笑えるお話を紹介しよう。

ベトナムでヘルメット着用が義務化されたのは2007年12月15日のこと。それまで「ヘルメットなんてダサイ」と目の敵にされており、実は、ヘルメット 着用の法制化も何度か、庶民の反対でボツになってきたらしい。「王様の法も村の垣根を越えない」というベトナムの格言にも象徴されるように、庶民の自主性 の強いベトナムならではである。

ちなみに、反対の理由の一つに「アオザイにヘルメットは似合わない」というのがあったという。確かに、黒髪を風になびかせながら、バイクで颯爽と走るアオザイ姿を見慣れた人間には、妙に説得力がある理由である。

それがついに義務化された後、ベトナムでブームになったのがヘルメットファッションである。ヘルメットに見えないデザインのヘルメットが次々と登場した。 写真にあるのは、野球帽をかたどったヘルメット。普通のヘルメット(赤いヘルメット)が17万ドン(約950円)なのに対し、野球帽タイプは12万ドン (約670円)と値段もお得だ。

日焼けを気にする女性には、ヘルメットサンバイザーが人気。普通のヘルメットにサンバイザーをつけて、写 真を撮らせてもらった。こちらは3万ドン(約170円)。人によっては複数持っていて、デートに行くとき用の「勝負服」ならぬ「勝負サンバイザー」という のもあるらしい。

「ヘルメットをかぶること自体が、カッコいい」と思っている人も出てきたようだ。過日、屋台でバンミー(ベトナム風バゲットサンド)を売っているオジさんが、ヘルメットをかぶっていたので、
「どうして?」
と尋ねると、
「だってカッコがいいだろ」
という答が返って来て、言葉に詰まったことがある。

あんなに嫌がっていたヘルメット着用が義務化されても、それをファッションに取り込んで楽しんでしまうベトナム人、いつものことながら、柔軟というか、したたかだなあと思ってしまう。

問題は、それらファッションヘルメットの多くは、強度が不足していて役に立たないのだという。う~ん、まさに本末転倒。

そういうわけで、今週の笑ケース殿堂入りは「ヘルメットファッション花盛り」に決定。

お後がよろしいようで。


(担当:越野 南雄)

 

高さ約30mという巨大な鉄筋コンクリート製の建造物。

これは、貯水および水圧強化を目的として作られた給水塔。日本の水道局に相当するサイゴン水道総公社(サワコ)の敷地内にある。

給水塔は、ベトナム戦争が終結した1975年以前に作られた。ホーチミン市内には、大小合わせて100基以上あるが、実は数十年前から、まったく使われていない。

というのも、各家庭が、自分で屋上に貯水タンクを備え付けるようになったものだから、給水塔は必要なくなってしまったのである。

中には、完成直後に水漏れが発覚して、40年余、一度も使われたことがない給水塔もあるという。

ホーチミン市当局は、2009年4月、サワコに対し「今後、どうするつもりなのか、検討して報告すべし」という勧告を行ったそうだ。しかし「取り壊そう」「いや、補修すれば使える」と議論百出。市内各所に残された給水塔たちの帰趨は、当分定まりそうにない。

【アクセス】
サワコ(SAWACO)はホーチミン市中心部にあるHo Con Ruaという名前のロータリーにある。聖母マリア大聖堂から徒歩約5分。部外者は敷地内へは入れないが、外からでも給水塔は見える。大型給水塔は、バータ ンハイ通り(10区)、ホーヴァンフエ通り(フーニュアン区)などにもある。

(原稿・写真:朋野昭)

 
カンボジアにある世界遺産・アンコール遺跡群は、私にとっても、世界中でいちばん行ってみたい場所のひとつである。そんなアンコール遺跡群、実は、ホーチミン市からは週末小旅行の定番だったりする。
「今度の週末、暇やなあ。ちょっとアンコールワットでも見てくるか」
なんていう実に贅沢な会話が、冗談でなくマジメに交わされたりするのである。

「アンコールワット」という名前が通りが良いが、実は、これは数多くある「アンコール遺跡群」のうちの一つ。その北側にあって、約3倍の規模を持つアンコールトムも、これと双璧をなす素晴らしい遺跡。これら2つに加えて、樹木が遺跡の石の間に入り込んでいるタプローム遺跡が、3大人気遺跡というところ。

ほかにも、「女の砦」という意味のバンテアイ・スレイ遺跡、川の中に神聖な彫刻が残されているクバール・スピアン遺跡など、主なものだけでも30箇所を超える遺跡群がある。真面目に見て回るとなると、何日あっても足りないくらいだ。

ベトナムでは4月30日が南部解放記念日、5月1日はメーデーと連休。1日が金曜日なので、全部で4連休になる。暦どおり休みが取れることになったので、「週末、ちょっとアンコール」計画を実行に移すことにした。

ホーチミン市からアンコール遺跡群のある町・シェムリアップを訪れるには、大きく2つの方法がある。
一つは飛行機だ。所要時間はわずか2時間。ベトナム航空のウェブサイトを見てみると、1日6便程度のフライトがあり、土曜日の朝、ホーチミン市を出て、日曜日の夜には帰って来ることことも可能。

●ベトナム航空
http://www.vietnamairlines.com

航空運賃は往復で1人260US$。これに、航空保険特別料金(燃料費含む)、空港税、発券手数料等が加算されるので、まあ、ざっと300US$かかるという見込み。

地元の日系旅行代理店・スケッチトラベルに相談したところ、「航空券と現地のガイドやホテルをセットにして申し込むと、パーツごとに手配するよりもお得ですよ」とのこと。「アンコール遺跡の旅1泊2日」というツアーだと、中級クラスのホテル、シェムリアップ空港-ホテル間往復送迎、ツアー中の食事、移動の車、遺跡入場パス、それに日本語ガイドがついて、1人164US$とのこと。これに加えて航空券代が必要。

●スケッチトラベル
http://www.sketch-travel.com/vietnam/

車を手配したりレストランを探したりするのは結構、手間なものだし、迷子になりそうなほど広大な遺跡群、勝手の分からないカンボジアで、日本語ガイドがついているのも嬉しい。

それらが全部セットになって、この金額は確かにお得な感じがするが、いかんせん、総額で500US$以上かかってしまい、「ちょっと週末、アンコール遺跡へ」という気軽さはなくなってしまう。そこで、第2の選択肢を検討することにした。

 

旅行をするときに、知っていると得をする、そんな情報をお届けします。

●週末に泊まると、1泊、オマケが付いて来る
レジェンドホテルサイゴン(ホーチミン市)

ホーチミン市にある最高級ホテルの一つ、レジェンドホテルでは、週末に2泊またはそれ以上、宿泊する場合、その直前の金曜日の晩も無料で宿泊できるというキャンペーンがあります。
実施期間は6月1日から9月1日まで。
レジェンドホテルサイゴン
www.legendsaigon.com/

●世界遺産の町・ホイアンにある人気リゾートのお得なパッケージ
ライフヘリテイジリゾート・ホイアン(ホイアン)

そのチャーミングな旧市街が世界遺産に指定されているホイアン。その一角にあり、フレンチコロニアル様式の優雅な佇まいが人気のライフヘリテージリゾートホイアン。
同リゾートが、ツインルーム2泊で196米ドルというお得なパッケージを提供中です。このパッケージには、ダナン空港までの送迎、1回のセットディナーなども含まれています。
実施期間は10月15日まで。
ライフヘリテイジリゾート・ホイアン
www.life-resorts.com/

●オープンしたばかりの高級リゾートが、期間限定で特別料金に
チェンラリゾート(フーコック島)

2008年11月にオープンしたばかりの高級リゾート・チェンラ・リゾートでは、2泊以上宿泊する場合、正規料金で316米ドルのシーヴューバンガローに、99米ドルで泊まれる、サマーパッケージを展開中です。
実施期間は9月30日まで。
チェンラリゾート
www.chenla-resort.com/

それぞれのキャンペーン内容についての詳細は、直接ホテルへ、もしくは旅行代理店にお問い合わせください。

提供:ベトナム観光文化情報センター

 

ホーチミン市は本格的な雨季に入ったようである。雨に濡れたままバイクを走らせたのが悪かったのか、風邪を引いてしまった。これがなかなかしつこく、日本から持って来た風邪薬を飲んでもなかなか治らない。熱はないのだが、咳が止まらないという状態が3日も続いている。

昨晩のことである。
「こういうときは、これが効きますよ」

小生が住んでいるミニホテルの親父が、お弁当箱ほどの新聞紙の包みを持って来た。そこからは、プーンと漢方薬特有の臭いが立ち上っている。

「これはThuoc xong cam(トゥックソンカム)というものでね、ダンナの咳なんか、これを1回やるだけで、一発でなくなりますぜ」

ちなみにThuocが薬、xongが蒸気、camが風邪の意味である。1包が5000ドンというから、大体30円くらい。

「ものは試し」と、やってみることにした。

まずは大きな鍋にたっぷりの水とこのトゥックソンカムを入れて、ぐつぐつ煮る。しっかり沸騰したら、シーツでも毛布でもいいから何かをかぶり、密閉された中でこの鍋の蓋を取って、その蒸気を吸い込むのだという。

私はパンツ一枚になって床に座り毛布をかぶって、ぐつぐつ煮立った鍋が運ばれてくると、それを毛布の中に入れて蓋を取った。

熱い。顔がピリピリと痛くなるほどだ。

「熱いよ!」

というと、心配してくれてであろうか、周りに集まって来た大家の一家が、「熱くても我慢して! 顔だけでなく、胸にもその蒸気を当てるといいのよ」とアドバイスしてくれる。さらに「これも入れて」と、小さな皿に入った塩を毛布の中に差し入れてくれた。

漢方薬の臭いのする蒸気を、口から鼻から吸い込む。顔からはポタポタと汗が落ち、鼻水も出てきた。表面の温度が下がると、長い箸で鍋の湯をかき混ぜて、また熱い蒸気を立ち上らせる。カッコよくいえば「ホームサウナ」といったところだろうか。

これを15分くらい続けたところで、ようやく、

「そろそろいいでしょう」

とお許しが出て、毛布の外に這い出した。鏡を見ると、顔から胸まで真っ赤である。体中、汗でいっぱい。バスタオルで体の汗をぬぐう。薬草の効果を持続させるため、1時間程度はシャワーを浴びないほうがいいそうだ。

小生が着替えて自室から出てくると、大家の一家が、
「あの中って、熱かった?」
「蒸気を吸い込むとどんな感じになるの?」
などと次々と質問を投げかけてくる。どうして?

「キミたち、いつもやっているんじゃないの?」
と尋ねると、一同大笑い。

「ハハハ、我が家で、あれをやった人間はいないんだ。だからみんな興味津々なんだよ。風邪を引いたときは、ダンナの国・日本製の風邪薬がいちばんさ」
平然とした顔で、ご主人がそう答えてくれた。

肝心の効き目だが、これが抜群。一夜明けた今朝には、あれほどしつこかった咳がピタリと止まってしまったのだから。

まさか自分が「笑ケース」のネタにされるとは思わなかったが、今週は「しつこい咳には1回30円のホームサウナ」を殿堂入りさせることにしたい。

お後がよろしいようで…。


(担当:越野 南雄)

 

ベトナム人の友人から「私の友達が個展をするので見に行って」と案内をもらい、会場にやって来ました。といっても、作品が飾られているのは画廊で はなくカフェ。店名を「ヒミコヴィジュアルサロン」といい、主にベトナムの若い芸術家たちの作品を紹介しているカフェなのです。

このカフェができたのは2005年のこと。開いたのは、当時、ホーチミン市美術大学を卒業したばかりの若いベトナム人彫刻家。ベトナムの若い芸術家の作品を、広く一般の人に見てもらえる場を作ろうと考えたのだそうです。


その後、場所は移転しましたが、オープン当初の志はそのままに、芸術家と芸術好きのホーチミンっ子たちの交流の場となっています。まだまだベトナムアート の評価は、世界的には低いようですが、このカフェに何度か足を運んでいると、型におさまりきらない強い個性が感じられる作品に出会うこともあり、将来が楽 しみです。


カフェは、大通りから少し入った路地の中にあって静か。路地の入り口には、店名が書かれた赤い看板が出ているので、それが目印です。通りに面した1階の入り口には、彫刻が無造作に置いてあったりして、アートな雰囲気をかもし出しています。


とは言え、堅苦しさとは無縁。今も、お店の入り口では、店員さんが「今日のお昼ご飯のおかずなの」と、魚を焼いているのですよ。こういうところが「ベトナムだなあ」と感じます。日本では、考えられないですよねえ。


ちなみに店名「ヒミコ」は、邪馬台国の卑弥呼ではなく、大江健三郎の小説『個人的な体験』の登場人物「火見子」に由来するそうです。オーナーさんは、日本への留学経験もあるとのこと。まだお目にかかったことはないのですが、日本滞在中に同書を読まれたのでしょうか。


芸術作品を眺めながらコーヒーを飲む土曜日の午前中。なんだか良い週末になりそうな気がしてきました。それでは皆さんも、良い一日をお過ごしください。


<データ>
Himiko visual saloon ヒミコビジュアルサロン
住所:324Bis Dien Bien Phu, Q.10, TP.HCM
電話:0958881908
営業時間:8:00~23:00
ウェブサイト:http://www.himikokoro.com/
英語メニューあり/トイレ○/無線ランあり

 
私は、ホーチミン市のとある日系企業で働いている。日系企業とはいっても、駐在員さんではなく現地採用。だから、給与もベトナム水準で、気楽な独身暮らしとは言え、生活は楽ではない。

私は日本にいたときから旅行が趣味。ベトナムは娯楽が少ないということもあり、週末は、時間ができると旅行に出ている。そんな旅行の情報を、他の人とも共有できたらと思い、ブログを始めることにした。

その心は「お気軽週末旅行」。現地採用でお金がないということもあるが、1回旅行するのに、4万円も5万円もかかっていたのでは、「元を取らねば」という思いが先に立ってしまう。私の予算は、1日5000円。つまり1泊2日の旅行だったら、交通費、宿泊費込みで1万円が上限である。

現地採用の日本人の給与が大体1000ドルくらいであることを考えると、決して少ない金額ではない。それでも、これくらいなら、まあ、月1回くらいのペースで旅行ができる範囲だ。

日程は1泊2日から2泊3日。会社員なので、そうそう休みは取れない。原則として旅行に使えるのは土日だけである。それでも、夜行バスを使ったり、金曜日に早退するなど、工夫すれば、国外旅行も含め、結構、旅行はできるものなのである。

なお、ここで紹介するのは、日帰り旅行は入れず、1泊2日以上の旅行に限ることにした。旅行気分を味わうには、やっぱり、普段の生活の場と違う場所で1泊したいからだ。

それでは、どうぞ末永くお付き合いください。

(担当:Mr Khong Ten)

 

「ベトナムでは、バイクのことをホンダって言うんだぜ」
ホンダ(本田技研工業)に勤務する友人からこの話を聞いたとき、小生は「愛社精神を持つのはいいけれど、そんなワケないだろう」と一笑に付した。

こちらに赴任した直後、ベトナム人スタッフから「ホンダは買いましたか? まだなら買いに行きましょう」と言われたときも、まだ半信半疑。そしてお店に行き「このホンダがお買い得ですよ」と勧められたのは、音叉のマークが入ったヤマハ製。

同行してくれたベトナム人スタッフに「これ、ヤマハだけど?」と聞くと、「そうですよ、ヤマハ製のホンダです」と「コイツ、何を聞くんだ?」みたいな顔で回答された。いや、ウワサは本当だったのである。友よ、疑って悪かった。

今回の写真を見て欲しい。これは路上のバイク修理屋の看板。「Sua Xe Honda」は、バイク修理の意味である。Suaが修理、Xeが車、Xe Hondaで2輪車。もちろん、ヤマハでもカワサキでもスズキでも修理してくれる。

2輪車を意味するベトナム語も、別にちゃんとあってXe mayというが、「ホンダ」は一般名詞として、当地では完全に市民権を得ている。

だから「お前のホンダはどこ製だ?」「オレのホンダはヤマハだ」「そうか、オレのホンダはホンダだ」という冗談みたいな会話がマジメに交わされることになる。

ホンダが一般名詞化したのは、やはりシェアが高いから。かつてスーパーカブタイプの「ホンダドリーム」というバイクが大人気。当時、1台の値段が約 2000ドルと、平均的な会社員の年収を上回る額だったので、これを買うのは、庶民にとってはまさに「夢」だったそうだ。ホンダ以外のバイクも数多く出 回っている今も、いちばん人気はホンダ製と言って間違いない。

派生した言葉もある。バイクタクシーを意味するベトナム語は「セオム」(直訳すると「抱きバイク」)だが、「ホンダオム」でも問題なく通じる。バイクを流しながら客を探す売春婦を「ホンダガール」というように、好ましからぬ用例もある。

ちなみに4輪車はXe Toyota。というのは、真っ赤なウソで4輪車はXe hoiである。お間違えなきよう。

そういうわけで、今週の「街角笑ケース」殿堂入りは「バイクはホンダ」。

お後がよろしいようで…。


(担当:越野 南雄)

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