みんなで作ろう!「ベトナム旅行便利帳」

TOP > みんなで作ろう!「ベトナム旅行便利帳」

 【[ベトナム街角笑ケース]

第14話:チケットがなくても入場できる!?
2009年06月15日
 
先週、所用があってハノイに出張した。仕事は無事に終わって、「さあ夕食後は、ホテルに戻って仕事かな」と思っていると、取引先のAさんが、
「今晩、これからオペラハウスへ、ベトナム国立交響楽団の演奏会を聞きに行くんですよ」
 という。

 実は小生、クラシック音楽の大ファンである。ベトナム国立交響楽団(VNSO)は、その名の通り、ベトナムを代表するオーケストラ。今晩は日本人指揮者の本名徹次氏の指揮で、ベトナムを代表する人気女性歌手であるミー・リンと協演するという。ホーチミン市にもオーケストラはあるが、VNSOに比べると格段に落ちる。たまっている仕事は気になるが、できるものなら、久々にレベルの高い生のオーケストラを聴いてみたい。

 ところが、このコンサート前評判が高く、チケットはとっくの昔に完売とのこと。チケットを持っているAさんとオペラハウスに行き、会場の前に出ていたダフ屋と話をしたところ、定価が25万ドンのところ、90万ドン(約5000円)だという。これでは高くて手が出ない。諦めてホテルに戻って仕事をしようかと考えていると、オレンジ色のポロシャツにチノパンという中年の ベトナム人男性が声をかけて来た。

「キミは、演奏会を聴かないのか?」
「聴きたいんだけどね、チケットがなくて」
「…そうか。じゃあ、オレが入れてやるから、ついて来なさい」
 
 半信半疑のまま一緒に入り口に行く。彼は、私を指差しながら、チケットのもぎりをしているアオザイ女性に二言三言、声をかけると、私を手招きした。
「話はつけたから。じゃあ、演奏会を楽しんでくれたまえ」
 彼に背中を押されるようにして入り口に向かうと、先ほど彼が話をしていたスタッフが、にっこり笑顔で通してくれた。ど、どうしてなんだ?

 しかし会場は全席指定席。入場できても、チケットがなければ会場の中に入ることはできない。エントランスホールで思案していると、先ほどの彼が現れ、「で、これがキミのチケットだから」と手渡すや、私がお礼をいう暇もないほど、あっという間に去っていった。

 私のチケットはF列の5番。前から6列目、中央やや左手の特等席である。「これを入手するのには、苦労したんですよ」というAさんより良い席だ。かくして、私は幸運にも、素晴らしい音楽に浸る一夜を過ごすことができたのだった。彼が何者だったのか、どうして、こんな特等席のチケットがあったのか、いまだに謎である。

 ベトナムでは、日本では当たり前のことがうまく行かず、困ってしまうこともあれば、今回のように、思いもよらない幸運が降って来ることもある。

 そういうわけで、今週の笑ケースは、ちょっと趣旨は異なるが、笑えるエピソードを紹介させて頂いた。写真は、演奏中に撮影したものである。中央がミー・リンで、右端が指揮者の本名徹次氏。お後がよろしいようで…。

 alt=""title=""

コメント(0)

 【[今日もカフェ日和]

014:安い・美味い・早いと3拍子揃う~無名の路上カフェ
2009年06月15日
 

 今日の朝ごはんは、路上の屋台兼カフェで、バンミー(ベトナム風バゲットサンド)とカフェダー(アイスコーヒー)。ベトナムにはこういう無名の路上カフェが、それこそ無数にあります。

 alt=""title=""

 小さな屋台ですが、バゲットサンドはパテ入り、ハム入り、卵入りと幾つか種類があって、選ぶことができます。中でも卵サンドが美味しくて、ここの屋台は私のお気に入りの一つです。

 注文すると、お店の女主人が、卵を2つ使ったスクランブルドエッグを目の前で作り、それをバゲットにはさみます。ニンジン、キュウリ、ダイコンの細切りを載せて、最後に醤油と胡椒を振りかけて出来上がり。サクサクしたバゲットと、ホカホカの卵焼きのコンビネーションが気に入っています。

 その間、わずか数分。それはそれは手際がよく、次々とやって来るお客さんを待たせることがありません。また、朝は5時くらいから夜は9時ごろまで開けているそうで、とても便利な存在です。

 町の中心部にあるので、値段は、卵サンドが1万ドン、アイスコーヒーが5000ドンと割高ですが、それでも合計80円ほど。最近、当地でも増えているKFCやロッテリアのハンバーガー1個分よりも安くて、個人的な好みでいえば、それらより美味しいのですから、文句はありません。

 alt=""title=""

 屋台の横には、小さな机もあって、そこで食べることもできますが、基本は持ち帰りのようです。その場合、コーヒーは、こぼれないように、密封性の高いプラスティックの容器に入れてくれます。今日は、屋台の横の席で朝ごはんを食べながら、この「カフェ日和」を書くつもりだったのですが、いつも持ち帰りをしているせいか、自動的に密封容器に入ったコーヒーが出てきました。

 ところで、こういう路上カフェでコーヒーを頼むと、たいてい、お茶の入った急須が一緒に出てきます。写真の右側に写っているのがそれ。これはどうするかというと、コーヒーを飲んだ後、このお茶をグラスに入れて飲むのです。

 alt=""title=""

 最初は「コーヒー味のするお茶なんて」と抵抗があったのですが、これが意外といけます。コーヒーの苦味をお茶がとってくれ、後味がさっぱりするのです。

 お茶を飲んで口直しもできたし、そろそろ仕事に行きます。それでは皆さんも良い一日をお過ごしください。

<データ>
店名なし
住所:Le Duan(レユアン)通りとMac Dinh Chi(マックディンチー)通りの角。アメリカ領事館の脇(市民劇場から徒歩15分)
電話:なし
営業時間:05:00頃~21:00頃(無休)
メニューなし/ベトナム語のみ/持ち帰り可

コメント(0)