みんなで作ろう!「ベトナム旅行便利帳」

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 【[今日もカフェ日和]

013:ベトナム国産コーヒーを味わうなら~チュングエン
2009年06月08日
 

 ベトナムが、ブラジルに次ぐ世界第2のコーヒー大国であることは、私がここで書くまでもなく、ご存知のかたが多いと思います。そんなベトナムコーヒーの中で、知名度ナンバーワンのブランドはというと、間違いなく「チュングエン」でしょう。

 同社では、チュングエンブランドのコーヒー豆の販売とカフェチェーンの経営をしています。ホームページによると、ベトナム国内に600軒以上のカフェを出店しているだけでなく、日本を含む国外にも進出しているそうです。

●チュングエンコーヒー(日本)
http://www.trungnguyencafe.com/
●チュングエンコーヒー(ベトナム)
http://www.trung-nguyen-online.com/

 今、私がこれを書いているのも、そんなチュングエンコーヒーのうちの1軒。市内の目抜き通りの一つ、レロイ通りに面している便利なところにあります。
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 さすがにコーヒーメーカー直営の店だけあって、コーヒーにも何種類かメニューがあります。日本の喫茶店で、ブルーマウンテン、キリマンジャロ、モカ、マンデリンなど、豆を選べるのと同じですね。

 日本で飲まれているのは、アラビカ種という豆ですが、ベトナムコーヒーの主流はロブスタ種。チュングエンでは、これらを組み合わせて、クリ・ロブスタ、ロブスタ・アラビカ、プレミアム・クリ、クリ・アラビカなど、いろんな豆を味わえるようになっています。

 私も今までにいくつか試してみましたが、私の味覚が鈍感なのか、味の違いはよく分かりませんでした。たとえ、注文したのと違うコーヒーを持って来られても分からないでしょう。

 さて、それぞれの豆に関して、ホットのブラック、アイスのブラック、ホットのミルク入り、アイスのミルク入りと4つの選択肢があります。

 ここで、ベトナムならではのコーヒーの飲み方について、私の「発見」をお伝えしましょう。

 まず、ベトナムにおける「ブラック」は、日本のそれとは違うこと。ブラックでも砂糖がたっぷり入って出てくる場合が少なくないのです。
私は日本では必ずブラック。ベトナムでも迷わずブラック(ベトナム語ではカフェデン。デンは黒の意味)と頼んだところ、めちゃくちゃ甘くて驚きました。

 聞いてみると、こちらの人にとって、砂糖抜きでコーヒーを飲むというのが珍しいらしく、日本流のブラックを希望する場合、「砂糖抜きで」と言う必要があるのだそうです。在住が長い先輩によると、例え「砂糖は要らない」と言っても、砂糖の量を減らして入れてくれることもあるそうで、甘いのが苦手な人は要注意。

 ミルクコーヒーのミルクは、日本のように牛乳ではなく、コンデンスミルク。これも最初は驚きました。ただ、ベトナムの濃いコーヒーには、普通の牛乳より、濃厚な味のコンデンスミルクのほうが合っているようで、ブラック党だった私も、すぐにこれに慣れてしまいました。

 もう一つ、チュングエンのコーヒーは、私の知る限り、どこもエスプレッソ並みに濃いです。ホットの場合、私は、お湯をもらってそれで薄めています。アイスの場合は、氷が解けるのを待って少しずつ飲むながらゆっくりと頂きます。

 ホーチミン市は年中暑いので、もっぱらアイスコーヒー。のんびり氷が解けるのを待ちながらコーヒーを飲む時間は、ベトナムならではという気がします。

 これを書いている間に、私のコーヒーも、氷が溶けて飲み頃になってきました。これを飲み終わったらお仕事です。それでは皆さんも良い一日をお過ごしください。

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 【[ベトナム街角笑ケース]

第13話:前半分をちょん切られた家
2009年06月08日
 

 alt=""title="" 今回の写真、「工事中の家」ではない。「道路の拡張工事のために、前半分を強引にちょん切られてしまった家」なのである。

 この家が建っているのは、グエンバンチョイ通りという、空港と市内中心部を結ぶ通り。もう2年くらい前になるだろうか、この通りの拡幅工事が行われた。当時、グエンバンチョイ通りは、朝夕になると渋滞して、小生も、空港に行く際には不便を感じていたから、道路幅が広くなるのは、朗報だった。

 そして工事開始。ここからが、いかにもベトナムという感じだった。通りの両側には民家や商店、レストランなどがある。これらを立ち退きさせるのではなく、道路の拡幅分を、強引に削り取っていったのだ。

 それまで、奥行きが10メートルあったレストランは5メートルになり、手前に居間、奥に台所という構造だった家は、かつて台所に入る扉だったものが、玄関になってしまった。工事中、通りの両側は、玄関や表の壁を取り壊され、中が丸見えになった、まるで「家の断面図」みたいな情景が連なっていた。

 このグエンバンチョイ通り沿いには、永厳寺という観光名所にもなっている名刹がある。もちろん、これも容赦なし。正門が何メートルか後退させられてしまった。浅草の雷門が移動させられるようなものである。

 工事は終了し、以前を知らない人には、通りの両側に家や店が並ぶ普通の街の情景となっているが、この家は、そんな強引な拡幅工事があったことを示す、数少ない「生き証人」なのである。

 この拡幅工事に関しては、これまたベトナムらしい裏話がある。ベトナム在住の長い私の友人が、ある政府関係者から、
「グエンバンチョイ通りは、何年か後に拡幅されることになっている。私はそれを見越して、表通りから路地を5メートルほど入ったところにある家を何軒か購入した。工事終了後には、ちょうどこれらの家が表通りに面して建つことになり、それから転売したら、ボロ儲けができる。私が持っている家のうちの一軒を買わないか」
 と持ちかけられたそうだ。

 当時、グエンバンチョイ通りの交通はスムースで、拡幅工事のことなんて、噂にもなっていなかった。しかし、上記の私の友人は、「政府関係者のいうことだから」と、かなり割高だったにも関わらず、小さな家を一軒購入。果たして、購入後間もなく拡幅計画が発表され、友人の持ち家の評価額は数倍にあがり、彼は、自分の年収数年分に相当する売却益を得たそうだ。

 件の友人の奥さんはベトナム人。家を売ってくれた政府関係者は、奥さんの知り合いだった。
「お金が儲かったのは嬉しいですけどねえ。私が何年も汗水たらして働いて得られるお金を、妻は電話一本で稼いでしまうわけですからねえ、私としては心中複雑ですよ」

 それに引き換え、バカを見たのは、表通りに面した家を持っていた人たちである。写真の家は、元から奥行きがあまりなく、拡張幅に合わせて削り取られてしまった後は、とても人が住める状態ではない。無人のまま、取り残されてしまっているようだ。

 こうして書いていると、だんだん、笑えなくなって来てしまったが、今週の笑ケースは、「前半分をちょん切られた家」で。お後がよろしいようで…。