Kさん夫妻と別れてタクシーに飛び乗る。今度はある友人より紹介されたBさんと会うためだ。「Bさんは昨年まで交流協会の文化担当をしており、非常に顔の広い方だから、一度会っておいた方がよい」とのメッセージを貰っていた。しかしその次のメッセージには首を傾げた。「Bさんは当日夜台北でライブをやります」、これは一体なんだ?文化担当とミュージシャンが同一人物とは??
指定された場所に着くと、車からBさんが降りてきた。如何にもミュージシャンが練習を終わってきた感じだ。喫茶店に入り、「初めまして」と挨拶した。Bさんは昨年20年勤めた先を退職、現在は日本で映像関係の仕事をしながら、歌を作り、そして台北時代に結成したバンドメンバーとライブも行っていた。ちょうど今夜がそのライブの日であったという訳だ。
途中でBさんの携帯電話が鳴り、国語(中国語)で流暢に話をしていた。何か少し引っ掛かるものがあった。震災ボランティア、台湾での交流など、その後様々な話をした。共通点もいくつかあった。そして私は最後の質問をした。「その中国語はどこで勉強したのか」と。
驚いたことに彼が口にした留学先と留学時期はなぜか私のものと一致していた。「え?」突然頭の中に25年前が蘇る。「Bさん」、あー、思い出した。確かに同じ時期に上海に居た彼だ。念のため、数人の同学の名前を挙げると彼の顔も輝いてきた。因みにこの再会を当時の留学仲間に連絡すると皆一様に驚いていた。
25年ぶりに再会した。しかもこのような形で。これも最近いうところの茶縁の一つである。懐かしさがこみ上げたその時、日本人の婦人が近づいてきて、我々の再会時間が終了したことを告げた。こうなれば、夜のライブには行かねばなるまい。そして彼に会った最大の目的である台湾茶に詳しい日本人を紹介してもらわねばならない。
本日生まれて初めてラジオ番組に出演しました(収録です)。パーソナリティ光部愛さんの絶妙のリードであまり緊張せずに「茶旅」と「寺子屋チャイナ」についてお話しました(但し何を話したかは今一記憶なし)。世田谷付近の方は是非聞いてみてください。
放送:5月19日(木)21:00-22:00
番組:エフエム世田谷「愛・CHINA~となりの朋友」
エフエム世田谷を聴く3つの方法です。
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光部愛(こうべあい)さん
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4月20日(水)
3. 老街を行く
翌朝早めに起きて、裏の食堂街へ。この付近は台北駅の近くとはいえ、どちらかと言えば学生街の雰囲気を残す。補習班と呼ばれる予備校(塾)が多くあり、食べる物も安い。一軒の食堂に入る。店頭でサンドイッチを作って販売している。卵とソーセージ、この焼ける匂いが好ましい。ミルクティが付いて、40元。僅か100円で楽しい朝ごはんとなった。この手軽さ、台湾の良い所である。
そして黄さんの店に向かう。寧夏路という台北の老街にある。この一帯は昔ながらの街で、台湾茶の歴史を語る上では重要な場所。清末から日本統治時代にかけて、に生産された茶葉をここに集め、加工し、輸出した一大拠点であった。大稲埕と呼ばれている。現在台北の中心は東側に移っており、往時の活気はないが、警察局などが古き良き建物をそのまま使用しているなど、老台北の香りをかげる場所であろう。
歩くこと30分、黄さんのお店、恵美寿(http://www.taipeinavi.com/shop/282/)に到着。店のおばさんに尋ねると、何と黄さんは出張中で、今日戻る予定だが、時間は分からないという。色々と質問を試みるが、要領を得ず、名刺を残して退散した。
仕方なくまた手掛かりを求めて、林森北路にある15年ほど通っているお店に顔を出す(http://www.taipeinavi.com/shop/306/)。ここの杜おばさんは世情に明るく、昨今の台湾の状況を聞くのに適した人物。今回は台湾茶の歴史について、聞いてみたかったが、いざ聞く段になると、台湾人と日本人の夫婦がやってきた。台湾人に嫁いだ日本人女性の話はなかなか面白ろく、話がそちらに向かってしまった。台湾の家庭では5分前まで、誰も夕飯の支度を考えず、思い付きで突然外食となる。化粧もせずに皆サンダルで出ていく姿を唖然として見つめる日本人女性、目に浮かぶようだ。
更に何とか質問にこぎ着けた時、田舎から知り合いが出て来た、と言って注意が完全にそちらに向かう。私はなすすべもなく、退散。今回はなかなか上手くいかないようだ。
お昼は吉林路へ。台湾を書かせれば第一人者の日本人Kさん夫妻と取る。執筆で忙しいKさんを無理やり誘い出した形だ。何しろ台湾茶の歴史の手掛かりを得なければならない。Kさんが連れて行ってくれたレストランは地元の人しか行かないだろうというディープなお店。メニューもなく、注文はKさんがあっという間に伝える。さすが台湾在住10数年。
台湾茶の歴史について、Kさんは徐に語りだす。「ようは台湾茶が何処から来たのか分からないんです」。なるほど、台湾茶は元々この島にあったのか、それとも福建省から持ち込まれたのか、はたまた・・。なかなか興味深い出だしである。日本統治時代、米と砂糖は日本への重要輸出商品であったが、お茶は日本に緑茶があり、重視されなかった。それもあり、その時代の研究も進んでいないようだ。
そして彼が今回用意してくれた秘密兵器について、語り出す。Uさん、日本人で台湾茶作りの修行をしている人。しかも学生時代は台湾茶業史を研究していたというまさにうってつけの人材を紹介してくれていた。その人はこれから初めて行く南投県鹿谷で私を待っていてくれる。これは楽しみだ。
喫茶店に場所を移す。Kさんはまたメニューにない飲み物を頼んでくれた。擂茶ラテ。擂茶とは生茶、生米と生姜を主要材料として擂り潰してから飲むもの。主に福建省、広東省、湖南省や台湾の客家で伝えられ、今も客家の間で飲まれている。この擂茶ミルクを混ぜたものが、擂茶ラテ。数年前は一時流行したらしいが、この店でもメニューから消えているように、定着はしなかったようだ。だからこそ珍しい。
2. 廣方圓 (http://www.kfytea.com/jp/about.php)
ゲストハウスを出て、大学の後輩と食事をした。長春路にある広東料理屋だったが、味が懐かい。伝統的な広東料理がそこにあった。料理と言うものは進化・改良が加えられていくもの。ところが香港から数十年前に台湾に持ち込まれた広東料理は進化の波から外れてしまい、結果として伝統の味を守ることがある。鹹魚炒飯などは香港でよく食べた定番。
夜10時近く、後輩と別れてゲストハウスに戻ろうと思ったが、ちょうど近くに廣方圓」があるのを思い出す。明日の活動に備えて、情報を仕入れに行く。すでに閉店の可能性もあったが、数人が茶を飲んでいた。ラッキー。
ここのオーナー湯さんは、台湾にプーアール茶を広めた女性として有名。5年ほど前にお店に行き(http://hkchazhuang.ciao.jp/chatotabi/taiwan/tea_01.htm)、数回親しく話をしたが、その後全く連絡をしていなかった。今年の1月台北再訪の際、既に引っ越していた店を探し当て再会。今回も夜分の突然の訪問となってしまったが、快く話を聞いてくれた。
実は台湾茶の歴史を訪ねる、と言っても特に手掛かりがあるわけではない。事前に台湾茶に詳しく著書もあるHさんに相談すると「台北茶業公會に行くとよい。私の名前を出せば対応してくれるはず。」とのアドバイスを受けていた。明日突撃取材する予定だが、何と公会の所在地すら確認していなかったのだ。
公会の会員である湯さんは、即座に公会の常務理事に電話を入れて、私の突然の要請に応えてくれた。そして結論として、公会にいくよりも、「まずは黄さんを訪ねるべし」という結論に達したのである。果たして黄さんとはどんな人物なのか?普通の日本人なら根掘り葉掘り聞くのだろうが、私の場合、取り敢えず明日の朝黄さんの店を直接訪ねるという無謀なプランを立て、その日を終えた。
【台湾茶の歴史を訪ねる旅】
1月に4年半ぶりに台北に行った。これまで何度も訪ねた台湾だが、やはり心地が良い。理由をつけてまた行きたい。そこで今回は『台湾茶の歴史を訪ねる旅』とのテーマで台湾を歩いてみることにした。元々台湾茶は20年前からのお気に入り、そして茶旅のキーワードとしてもうってつけと一人合点して早々旅支度をする。
4月19日(火)
1. ゲストハウス
台北松山空港は一度使ったら止められない。桃園空港とは圧倒的に便利さが違う。空港では震災後の原発による放射線チェックがあったが、難なく越えた。タクシーに乗れば、瞬く間に台北駅前の本日の宿に到着。
今回は故あってゲストハウスに宿泊。正直ゲストハウスに泊まるのは数十年ぶり。何故泊まるのか。それは・・。会社を辞めて、先週からお世話になり始めたオフィス、そこはガイドブック制作会社。台北側でそれを製作しているKenzoさんが最近ゲストハウスを始めたという。よく聞けばそのKenzoさん、5年ほど前に台北で会っている。ご縁があればそこへ行くのが私の旅。
「EZ Stay」(http://www.ezstaytaiwan.com/jpn.htm)と言う名のゲストハウスは台北駅の真ん前、新光三越の隣のビルにあった。15階のベランダからは台北市内が良く見える。リビング部分は共有スペースでPCも置かれており、自由にネットが出来る。無線で拾える。個室(2人部屋)が2つ、そして女子の4人部屋がある。同じフロアーの別の場所にはドミトリーもある。
ご配慮で個室を与えられたが、早々に共有スペースに出て、PCをセットしてメールチェック。その間に宿泊者、ガイドブック制作者、以前ここに宿泊していた者など、色々と出入りがあり、各人が自然に挨拶して、自然に自分のことを始めていた。ゲストハウスは若者のためにあると思っていたが、おじさんにも楽しいかもしれない。また私が台湾茶の歴史を知りたいというと、早速いくつかの情報が寄せられた。これもホテルの部屋でPCに向かっていても出てこないこと。
その日の夜、11時半頃戻ると、明日オーストラリアに向けて出発する若者の送別会が開かれていた。クラスメートと言うグアテマラ人も駆けつけており、英語・日本語・中国語が飛び交う不思議な空間と化していた。自然に交流し、情報交換できる空間、これはオジサン旅行にもいけるかもしれない。結局寝入ったのは午前2時頃。久々の夜更かしとなった。
皆様
いつも寺子屋チャイナにご参加いただき、有難うございます。次回の寺子屋チャイナを以下の日程で行いたいと思います。参加可能な方はご返事をお願いします。テーマは『台湾から見た中国』を予定しています。
尚先日の寺子屋で申しあげました通り、今後はどこの大学でも参加可能としたいと思っていますので、お知り合いに声を掛けてみてください。中国茶を飲みながらの懇親会もありますので、是非どうぞ。
参加者が定員を超えた場合は、13-15時のコースも新設予定です。
・日時 5月22日(日)15:00-18:00
・場所 フォートラン ランゲージ システムズ
東京都渋谷区広尾1-6-1ホメックスE
恵比寿駅より徒歩7分
・会費 1,000円
・参加者 12名前後
参加希望者は以下にメールをお願いします。
terakoyachina@gmail.com
ご縁を頂いている皆様へ
ご無沙汰しております。先日の第1回恵比寿茶話会が好評でしたので、第2回を開催します。
この会は中国茶を通じて『茶縁』を広げる目的で開催するものです。大変気楽な会ですので、お茶好きの方は勿論友達の輪を広げたい方も是非ご参加ください。
今回は昨日まで滞在した台湾より持ち帰った日本人が導入した紅茶、凍頂烏龍茶の里、鹿谷のお茶などをご用意します。幻のお茶も出るかも??
・日時 5月21日(土)午後2時より5時まで
(早めに帰る、遅めに来るなど時間は自由)
コアタイム 3時から4時
(この時間帯に自己紹介がありますのでお集まり下さい)
今回は『台湾茶の近況』についてお話します。
・場所 恵比寿駅徒歩7分
・費用 2,000円(お茶のお土産、お菓子代込み)
・参加人数 12名まで(7名以上で開催します)
参加希望者は以下にメールをお願いします。
terakoyachina@gmail.com
今後この案内が不要な方もご連絡ください。
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寺子屋チャイナビジネス版へご参加の皆様
本日はご多忙の中、ご参加頂き、誠に有難うございました。
予備会合ながら、なかなか盛り上がりましたね。
既に実戦さながらの情報交換が出来、嬉しく思っています。
ご参加の7名及び今回は欠席ながら賛意を表明された方々により、
今後正式に寺子屋チャイナビジネス版を立ち上げます。
宜しくお願いします。
本日話し合われた内容は以下の通りです。
・中国ビジネスを語り合う場とする
・開催は原則月1回 平日の夜19:30より
・テーマは前の会で決め、テーマ毎に責任者を置く
・責任者はテーマに関するレジュメを1週間前までに送付
・疑問、質問などは出来るだけ事前にメーリングリストへ投稿
(責任者の準備及び活発な議論のため)
・昔話だけで終わらない
・現役駐在員、研究者、ライターなどをゲストに招き話を聞く
・こちらは不定期開催とする
次回第1回寺子屋チャイナビジネス版は以下の通り開催予定です。
テーマ:『中国のブランディングについて』(知財・商標関連)
責任者:Tさん(特許事務所勤務)
開催日:5月31日(火)19:30~
場所: 恵比寿
定員: 12名
会費: 2,000円
今後のテーマ予定
6月:『中国でのM&A実務』または『労務管理』
7月:『中国におけるCSR』
尚皆様のお知り合いでこの会に参加したい方がおられましたらご連絡ください。リストに登録します。またゲストに心当たりのある方もご連絡をお願いします。
この度、中国及びアジアに関心のある若手ビジネスパーソンにお集り頂き、簡単な勉強会を行いたいと考えています。(若手の定義は各自でお決めください)
内容は皆さんで決めて頂ければと思いますが、 主催者のイメージは以下の通り。
・テーマを毎回1つ参加者の希望で決める
・主催者は事前にテーマに合ったキーワード、ポイントを事前に参加者に送る
・当日は出来るだけ参加者の経験、知識、調査内容などを基に議論する
・参加者相互の交流を目的とし、海外駐在時、出張時、などビジネスに役立てる
・月1回程度開催する(平日夜または週末)
・場所は主催者が用意し、コストは参加者が負担する
・日時 4月28日(木)午後7-9時
・場所 フォートラン ランゲージ システムズ
東京都渋谷区広尾1-6-1 ホメックスE
恵比寿駅より徒歩7分
・費用 2,000円
・参加者 現時点8名((最大12名まで参加可能)
参加希望の方、ご質問・ご提案のある方、お友達に紹介してくださる方、大歓迎です。! 是非返信をお願いします。
寺子屋チャイナ主宰
日時:2011年4月17日(日)
参加者:12名
テーマ:震災と中国について
《基本的なポイント》
今回の寺子屋では以下の点が話題に。
・日中双方のマスメディアのあり方
・中国の原発の今後の行方
・日本経済と中国の対日投資
(過剰反応)-中国人も今回の原発でパニックに
・在日中国人の帰国ラッシュ
・中国における塩の買い占め⇒塩漬け
・福島と上海の距離を測る
(日本への影響)-日本の安全神話の崩壊
・三一重工のポンプ車寄付報道を抑制/台湾隊との先陣争い
・バイトの人員確保
・日本の安全神話の崩壊
・日本の不動産、企業が割安として、購入意欲を見せる
(変化の兆し)
・自国の原発政策への関心
・日本人の忍耐力、礼儀正しさを見直する
(懸念)-日本経済への影響が中国及び世界にも大きな影響がある
・日本経済に関する懸念
・中国が原発建設を中止したらどうなるのか
・瞬時に人々に情報が伝播する社会
・政府の安全宣言への不信
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