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(2) 華人

ディープの奥さんが帰って来た。会計の仕事をしているらしい。KLに来る前にディープに「マレーシアの最新事情を教えて欲しい」とメールした所、「僕は世俗のことは分からない、世俗のことは妻に聞いてくれ」との返事。どこかで聞いたセリフだが、やはりヨーガ教師は世俗を離れる必要がある。


奥さんにマレーシア経済について聞く。「ここ10年、色々なことがあったけど、基本的には順調」「KLの一等地の不動産はかなり上昇したけど、この辺の別荘地は結構安く買える。郊外へ引っ越す人も出て来ている」


奥さんはKLのチャイナタウンに実家がある。華人に関しては「ここ数年、マレーシアの人口はかなり増えている。でも増えているのはイスラム系(主にマレー人)だけ。彼らは残念ながら生産性が低く、ブミプトラ政策で守られているが、実体経済を主導しているのは華人。その華人は人口比でどんどん減少している。これはマレーシアの将来にとって極めて危険な兆候」と懸念を示す。


大陸中国人の進出に関しては「華人と組んでビジネスしようと言う人は結構いるようだが、特に目立った動きは感じない。マレー人優遇社会では大儲けは出来ないのでは」と素っ気ない。


帰りにタクシーを呼んでもらったが、「来た時のタクシーはデラックス。ここまで60RMもする。節約が大事。帰りは普通タクシーを呼んであげるから。30RMでホテルまで帰れるよ」と。

 
3.KL (1) KL郊外のヨーガ

車は南へ進路を取り、高速をスムーズに走る。何だかその昔来たような道だが分からない。20分ほど行くと、リゾート地、といった感じの家々が並ぶ。その中へ入る。実に広々とした敷地、木々が溢れ、南国の別荘である。




目的の家は広大な敷地の中にあり、なかなか見つからない。運転手も何度も場所を聞き、ようやく探し当てた。タウンハウスの2階建て。1階には各家に駐車場もある。その1つを恐る恐るドアをノックすると、隣だと言われる。隣をノックするとインド人が顔を出す。


ディープ、それが私が訪ねた人。インド出身でありながら、KLにやって来て、ヨーガを教えているという。彼は30代半ば、実に柔らかい笑顔で迎え入れてくれた。広ーいリビングがあり、その向こうにはベランダが。そこから池が一望でき、とても心地よい空間が広がる。如何にも自然に生きている感じがする。


ディープは東京でヨーガを教えているHさんの紹介。何でもインドのヨーガ学院で一緒だったとか。当時からイケメンで女子には人気があったらしい。特に何となく当たりの厳しいインド人が多い中、彼の優しさは受けたことだろう。その彼がなぜKLに来たのか。それは彼女がKLに住んでいたからだそうだ。KLにヨーガ教師の仕事を探し、契約した所で、その彼女はいなくなってしまった。後にはヨーガの契約のみが残った。仕方なく、ヨーガを教え始めた。


そしてそこで今の奥さんと知り合い、結婚。現在は自らヨーガ教室を主宰し、この別荘地内で教えている。朝はヨーガをやり、昼間は教室、暇な時は読書、食べ物は自分で調理。実に理想的な生活をこの歳で送っている。素晴らしい。「インドより遥かに快適な空間がある」という言葉には、重みがある。


今回彼は早朝到着する私を気遣って、「家で朝食を食べよう」と言ってくれていた。有難い。彼自身が、スクランブルエッグ、トースト、ヨーグルトを準備してくれ、美味しく頂く。油は控え、基本はベジタリアン。「食べ物が体を作る」「心を穏やかにするのは環境」と静かに話すが実に説得力がある。心穏やかな生活が垣間見える。


彼は仏教などについてもよく勉強していた。「ブッダの教え」などはない、あれは弟子が聞いたというものを纏めただけ、と言ってのける。宗教がビジネス化していることを嘆く。そういえば、この家にも観音様がある。奥さんは中華系。彼は奥さんの宗教もよく理解している。


帰りがけに、彼のスタジオを見学。彼の車はダイハツ合弁の新車。「これならあまりお金が無くても買える」とのこと。乗り心地はまあまあ。スタジオまで2-3分で到着。華人の家の1階部分を借りているそうだが、庭もあり、気持ちの良いスタジオであった。ここで爽やかにヨーガをやれば、効果も抜群かと思う。


更に数分行った家に入る。大きな別荘だ。オーストラリア人が所有しているが、ヨーガ合宿を実施する際は、この家に皆泊まり、ヨーガもここで行うらしい。部屋は沢山あり、大人数が収容可能。食事はここのお手伝いさんが作るとのことで、大きなキッチンもあり、家の外と内と両方で食事が出来るテーブルがあった。プールもあり、広いリビングで寛ぐこともできる。良いスペースだ。一度ここでヨーガ合宿をやってみたい。


 

 
(3) 新しいホテルにはいい点も悪い点もある

その新しいホテルはフラマであった。香港に出張した時など、昔よく使ったのだが、最近はどうなのだろうか。ネットでは非常に安い値段で出ていたので、思わず予約。確かに新しいが、立地は今一つか。


朝の8時過ぎにチェックインしても、笑顔で迎えられた。お客はそれ程いないのだろうか。元々今日の午前中は夜行の疲れを考量して、チェックインできそうなホテルを選んだという事情もある。その予想は的中。




部屋に上がるエレベーターは最新式。部屋のカードを差し込まないと上がれない。しかし、私のカードでは動かない。着いてきたスタッフが「まだ新しいので」と言い訳しながら、自分のカードで動かす。部屋は広く、おまけにもう一部屋ついていた。セミスイート?しかし私は休むわけにいかない。朝9時の約束を入れてしまったのだ。




既に時間は8時40分を過ぎていた。慌てて下に降り、タクシーを探す。玄関前に1台、トヨタのバンがちょうどおり、乗り込む。住所を告げるとそのまま発進。さて、どこへ行くのやら。

 
(2) KL駅

バスに乗ると朝日がさしてきた。何だかとてもいい気分になる。眠ろうとしたが眠くはない。ボーっと窓の外を眺めて過ごす。KLの周辺は道路が発達しており、安心して見ていられる。道路の整備状況はアジアでも有数ではないだろうか。




1時間して、KL駅に到着した。予約してあるホテルに向かう前に再度両替を試みる。が、まだ7時台、銀行はやっていない。インフォメーションと書かれたデスクがあり、そこで聞くと丁寧に教えてくれた。このようなサービスは実によい。


教えられた通り進むが、どうしても見つからない。ガードマンに聞いてやって分かる。それ程に小さな、目だたない両替屋だった。しかしレートは最初に見たものより更によく得した気分になる。待てば海路の日和あり、であろうか。


両替を済ませると、さっきのガードマンが目に入る。有難うと言うと、タクシーに乗らないかと言う。それではとタクシーの方に進むと慌てて「チケット」と遮る。タクシー乗るのにチケット?横を見ると数人が列をなしている。どうやらここで買うらしい。見ていると皆行先を述べ、買っている。これはプリペイドタクシーだ。これだと行先を言わなくても運転手も分かるし、ぼられる心配もない。


運転手は陽気なマレー人。早々に通じ難い英語を駆使して、会話してみる。子供は4人いるが、今生活は安定しているという。車は日本車が良いに決まっているが、何しろ高い。最近は韓国車が増えている。確かに走っていると現代が目に付く。ダイハツは新しい車を出したらしく、これが安くて良いという。


ところが運転手は私が予約したホテルを知らなかった。8月に出来たばかりだから仕方がない。勝手に違うホテルを思い描いていた。私は9年ぶりのKLだったが、所々に記憶があり、間違っていることが分かった。住所を確認し、何とか到着した。

 
2. ホテルまで
(1) LCC専用空港

KLの空港には以前降りたことはあるが、現在ではエアアジアなど格安航空会社用には専用ターミナルが用意されていた。当然タラップを降り、バスでターミナルへ向かう。まだ夜は明けておらず、あたりは暗い。ターミナルはだだっ広い。イミグレは我々の到着を待っていたという感じで、スピードは速い。




イミグレの手前に両替所があったが、朝はやっていないようだった。イミグレを抜けると両替可能な場所が一つあり、レートを見たが、出口を出ればたくさんあるだろうと両替しなかった。ところが荷物のターンテーブルの所にあった銀行のレートはかなり悪く替える気がしない。荷物を受け取り外へ出たが、そこには両替所は見当たらない。当座の金は持っていたので、取り敢えず市内までのバスに乗る。


空港から市内は結構距離が離れており、タクシーで1時間程度掛かる。但し交通費の格安なKLでは、そのタクシー代は約MR100(日本円2,500円)。定額制の前払いを利用すればぼられる心配もない。しかし節約する私はバスに乗る。KL駅まで僅かMR8(200円)で行くことができる。他にエアポートエクスプレスもあり、これでもRM12.5(約310円)で行ける。日本と違い、バリエーションが多く、自らの目的に合わせて使い分けられるのは嬉しい。


LCCT(格安航空会社専用ターミナル)→KLセントラル、と書かれたバスを見付ける。大きなバックを持った外国人も大勢乗り込む。タクシーに乗るのとはまた違った旅がここにある。

 
小さなリュックを慌てて出して、PCを格納。実に軽くなった。搭乗者全員が本当に身軽な雰囲気である。これはこれでいいカモ。荷物検査上に楽々歩いて行く。すると後ろから「おー」という声が。何と北京時代のお知り合いHさんと遭遇。彼女はシンガポールへの出張。出発は夜11時台、翌朝には目的地に着き、朝から会議だと言う。羽田空港の深夜便はアジアへの旅を大きく変えた。


お土産とガイドブックを買っていなかったので、Hさんと別れてショップへ。ところが・・お土産を買おうとしてカードを出したが、どうしても読み込まない。先程チェックインでは問題なかったのだが。何度も試してもらったが、ダメで現金払いに。


この先カードが使えないと何かと不便。もう1軒でガイドブックを買って試す。しかし無理だった。使い過ぎで擦り切れたらしい。これは困った。またまた現金払い。おまけにガイドブックにも誤算が。マレーシアはあったが、その先のインドの本は置いていなかった。聞けば、「羽田では直行先のみ販売している」のだそうだ。それは合理的な説明だが、インドにガイドブックなしで行くとは、ちょっと無謀か。消費税をケチった結果はどうなるのか、後のお楽しみである。


兎に角トラブル続き。それにしてもカードは今回の旅が終わっても必要であることに気が付き、カード会社へ電話。事情を説明している間にも搭乗手続きが始まってしまった。相手は「この電話はカード紛失用なので、明日の日中掛けて欲しい」と言うのだが、私は日本に居ないので、何とかお願いする。しかし紛失再発行となると、番号が変わってしまい、ほぼ全ての口座引き落としが出来なくなる。困った、困った。最後は搭乗の最終案内を聞いてもらい、何とか自宅に新しいカードを送ってもらうように依頼した。


機内
11時45分にテイクオフ、5時間程度睡眠を取ると、翌朝6時(日本時間7時)にはKLに到着していた。料金は片道2万円台。食事などは出ないので、自ら必要な物を持ち込む(数百円程度で食事をオーダーすることも可能)。既存航空会社が深夜にもかかわらず、食事を提供するため、長い時間機内を明るくしているのとは対照的に睡眠時間も比較的長く取れる。また荷物を預けると追加料金が掛かり、機内持ち込みは1人1個、7㎏までとなっていてちょっと厳しい感じがする。だがルールが分かってしまえば、逆に機内で収納するスペースを心配することもなく、皆軽装で乗り込んでくる。


私が乗った便の乗客はほぼ半分程度。離陸すると皆早速寝床準備。三席で横たわる人。シートを倒して寝る人など様々。私は隣に人がいたので、横の席に移動したが、窓際に居たマレー人女性に「私が寝るからあっちに行って」と言われ、しょげる。後ろへ行くとなぜか前が壁の特等席が三席とも空いていた。ラッキーと思い座っているとCAがやって来て、「ここはホットシートです。30ドル支払う必要があります」と言う。なるほど、ここにまで差別化が図られているのか。




座席は思ったほど狭くはなく、音楽などはすべて有料であり、何も考えずに座ってウトウトしていると朝になってしまった。

 
《KL散歩》 2011年10月5日-6日


今回実に9年ぶりにクアラルンプールへ行った。しかし目的地はKLではなく、インド。安い航空券を探していくうちに、マレーシアベースの格安航空会社(LCC)エアアジアがヒットしたのだ。兎に角片道から乗れて、安い。たまたまKLで乗り継ぎ、コルカタへ行く便が同日になかったため、1泊することに。インドへ行く前に優雅なマレーシアライフを満喫した。


10月5日(水)
1. エアアジア

近年空の世界ではLCCと呼ばれる格安航空会社の活動が活発化し、新たなマーケットが開拓されている。その代表格がエアアジアであろう。KLはシンガポールやバンコックに比べて、何となく遠い存在であったが、この羽田深夜便かつ格安料金のエアアジアの就航によりKLがかなり身近になった気がする。


実際当日夕飯を我が家で普通の時間に食べ、ゆっくり電車で羽田空港に行く。帰宅ラッシュに巻き込まれることもなく、座って行けるから楽ちん。10時前には空港に到着。


チェックイン
エアアジアの航空券は安いが、他のサービスを求めると全て料金が課金される仕組み。今回全てネットで予約しており、説明も受けていない。何が起こるか分からない。実際チェックインカウンターは「チェックインする人」と「チェックイン済みで荷物を預ける人」に分かれていて新鮮。しかし自分はどちらに並ぶんだろうか。Webでチェックインは済ませたが。


まごまごしていると直ぐに係員がやって来て用件を聞く。「チェックインしたのなら、ボーディングパスは持っているか」と聞かれ、困る。プリントアウトして来なかったのだ。それでもチェックイン済みは済みに並ぶ。カウンターでは荷物の有無を問われる。手荷物は7㎏以内だそうで、私の大きな荷物は2つとも取られる。15㎏以内で2,500円徴収された。クレジットカードで支払い、無事通過。

 
3. 北京まで  (1) 1杯58元の緑茶でネット接続

僅か20分で空港に到着。やはりこれで100元は高い。特に地方では相当高いのだろう。運転手は満足げに帰って行った。西寧も立派な空港である。冬は殆ど観光客が来ないようで、夏だけの空港という感じもするが、さらに追加の建屋を建造中。一体何に使うのか。


今回は東方航空へチェックイン。今回は特に何もなかった。当たり前か。また空港でネット探し。ウルムチではネット屋さんがあったが、ここではカフェ。コーヒーは飽きたので緑茶を一杯58元も払って、パスワードを教えてもらい、無事接続。


周囲を見ていると、観光客と思しき、男女が高いコーヒーを平然と頼み、リラックスしてお話している。このカフェ、常時ほぼ満員だ。市内で牛肉麺1杯6元なのに、この落差は何だ。空港側も新しい建屋を立てる前に空港のネット環境を整えて欲しいが。いや、商業主義のご時世、それは無理か。


そして遅れることもなく、搭乗が開始され、機内へ。ここもまた満員。この便は北京行でなく、西安行。北京直行便は全て売り切れており、仕方なく、乗継便に乗る。それでも戻れるだけマシ。


(2) 西安空港で
1時間半ほどで西安に到着。預けた荷物をターンテーブルから取り、そのまま2階のトランジットカウンターへ。東方航空から東方航空への国内線乗り継ぎなのに、荷物がスルーされない、何故だろうか。いや、スルーされて無くなるよりマシと考えることに。


しかしカウンターでチェックインする際、一番早い便に乗りたいと告げると「ちょうど今締め切ってしまった。残念」と言われ、本当に残念。やはり荷物を取る時間が命取りに?西安空港で2時間待つ。


西安は大きな空港なので、手持ちの銀行カードで利用できるラウンジがあるはずだと探すが見当たらない。他のラウンジに入って聞くと何と「荷物検査場の外にある」という。そんなー、殺生な。それならトランジットカウンター行かずに、一度外へ出たのに。後の祭り。


そしてまたまたネットを繋ぐためにカフェへ。また58元コーヒーを飲み、電源を確保し、パスワードを教わる。何だかすごく浪費している感じ。ネットなど繋がなくても、空港でボーっとしていればよいのに、と自分でも思う。でもなぜかそれが出来ない。中毒か?


このカフェは搭乗口のすぐ横にあり、ウエートレスが親切に搭乗開始を教えてくれた。こんなちょっとしたサービスが意外と大切。これまた中国の進歩の一つを見た思い。でも私はトイレに行きたくなり、そこから走ってトイレに行ったため、最後尾になってしまったが。


(3) 東方航空
実に久しぶりに東方航空に乗った。自分では先ず選ばないエアラインに乗れることに感謝し、観察しなければならない。南方航空も10年ぶりだったが、東方は記憶にないほど前。当然サービスは大幅改善していると思ったが。


東方のサービスについては、以前より態度が悪い、飯が不味い、などいたって不評。また近年は待遇改善で抗議したパイロットが、飛行中一斉に上海に戻るなど、とんでもない話が横行していた。


西寧‐西安、西安‐北京間、乗ってキョロキョロ見回してみたが、特に目立つ所もなく、目に付くほど悪い所もない。これが中国の標準かと言われると厳しいが、当方の基準も近年大幅にダウンしており、一概に計れない。




まあ、この観光シーズンに定刻に到着すれば御の字か。私の長い長い、新疆・青海の旅は時間に遅れることなく、終わりを告げた。

                                                                                                                                       完

 
(9) お気楽タクシー運転手 嘆く

バスで何とかホテルに戻り、チェックアウト。陳さんより「空港へはタクシーで行くように。運転手はメーターは使わないので100元で交渉せよ」と言われていた。ホテルのフロントのお姐さんも「今は観光シーズン、100元では行かないかもね」と脅かす。


本当は空港バスにでも乗って行きたいが、バス乗り場までが離れており、荷物があるからそこまでタクシーで行かねばならない。流石にそれは面倒である。ホテル前でタクシーを探す。午前11時なのに意外と来ない。そんなにタクシーはないのか。


ようやく空車がやって来て、運転手に「空港」と告げるとすかさず、「100元」との答えが返ってきた。想定問答のよう。運転手は話好きでこちらのことなどお構いなしにどんどんしゃべって来る。


「ここいらのタクシーは殆どが自分の車で商売している。だから賃料を払う必要もなく、焦るやつはいない。行きたくない所には行かないから、空港行きは交渉になる」のだそうだ。夏は観光シーズンでかき入れ時だと思うのだが、働きたくなければ家でテレビを見ている、そうで、いい暮らしである。


空港へ行く高速に乗ると「この辺の不動産は高くなったなあ、どんどん再開発しているけど、金は外の省から来るんだ。損しても彼らの金さ」と言い放つ。確かに省都であるし、他の都市と比べて開発が遅れていたのだから、資金が流入する訳だ。投資資金は彼らの金ではあるが、それで潤う地元民もいることは話に出ない。


ただ地方政府の汚職はひどい、と嘆く。「賄賂が横行しているのに、公務員の給料はどんどん上がって行く。民間人は上がらない。どういう訳だ?」と憤慨する。中国の不安が溢れていた。

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